筆者は、10年を超えるの消防士としてのキャリアがあり、その多く期間を人事等の業務を担当していました。元消防士を語る人は世の中に多数いますが、そのほぼ全ての人は、現場の消防士を数年で辞めた人たちです。私のように、人事などの消防の基幹事務を経験している元消防士は殆どいません。
その点から、他の消防士採用試験突破方法を語る記事とは一線を画すと思っています。
随時個別相談も受け付けていますので、良質な情報をキャッチし、消防士採用試験合格を目指してください。
消防士採用試験の面接の種類
消防士の採用試験は全国の消防本部ごとに行われており、大学共通一次のような一斉試験はありません。とはいっても、合格後の受験者の辞退を避けるために、規模が近い消防本部では試験日が同一である傾向が高いです。例えば、都道府県内にある管轄する人口規模が10~80万人規模の消防本部の採用試験の日程は同じ日になっている場合が多いです。
面接試験は大きく分けて下記3種類ありますが、これも消防本部ごとに決めているため、個別面接のみの本部もあれば、個別面接と集団面接を行う消防本部もあります。
- 個別面接
- 集団面接
- 集団討論
それぞれの内容について見てみましょう。
個別面接
自己紹介や志望動機、長所や短所、志望動機などについて細かく聞かれます。ある程度パターン化されているので、しっかりと準備をして挑みましょう。
集団面接
ちょっとした大喜利みたいな感じです。理想の上司は?今まででもっとも苦労した経験は?などといった質問をされます。個別面接よりも配点のウエイトが低い場合や、採点上の差が付きにくいため、最低限の対策だけで十分です。
集団討論
この試験を採用している場合には、しっかりと準備が必要です。
司会として振る舞うのか、積極的な発言者として振る舞うか、裏回しのファシリテーションをするのかなど、準備が大切です。また、役割が指定される場合と、役割決定からやらされる場合もあるため、自洗準備をしておいた方がいいでしょう。
採点基準的には差が付きにくいところではありますが、内容を理解しない発言を繰り返してしまった場合や、社会常識からズレた発言をしてしまった場合には大きく減点される可能性もあります。
試験官は消防士面接では何を見ているのか
前提条件
殆どの場合、試験官は現役の消防士です。人事担当者などが担当しています。
その人事担当者の 人となり を知っておく必要があります。
この人は面接官としての能力を十分に有しているのか。有していないとすれば、何をもって採点をしているのか。
消防の人事担当者は、人を見る能力を有していません!
消防本部の職員数を見てみると、約98パーセントの消防本部が1000人未満で、約84パーセントの消防本部は300人未満しか職員がいないんです。
学歴で差別化する時代ではありませんが、ある程度の指標になるのは間違いありませんので、その点について考えてみましょう。
消防職員の約半数は4年生の大学を卒業していません。
金銭的な理由により進学できなかった家庭もあるかもしれませんが、奨学金の制度も充実しているため、成績的に大学進学を諦めた人が多い印象です。
大学を卒業している人であっても、2~3割ほどはスポーツ推薦での進学であり勉強はしていません。もしくは、定員割れか定員割れギリギリの、名前を書けば入れるような大学を卒業している人もすくなくありません。
長くなりましたが、消防組織を構成する人がどういった人であるか分かったでしょうか?
そんな人たちに面接をされるんです。
断言します!消防の採用試験における面接では、本質を見抜かれることは絶対にありません!
すべての試験官は、客観的な採点基準を持っています。
いうなれば、面接官は駅の券売機です。決まったタイミングで決まったボタンを押すことが出来れば、消防士への切符は誰にでも買える!ということです。
裏事情まで把握すれば怖いものなし!
ポイント1~3
試験官は優秀ではなく、ただの機械であるとすれば、対策は簡単ですね。
最近では公務員試験予備校に通っている人や面接対策本を読んで準備している人が多いため、ほぼすべての受験生が同じような回答をしています。
例えば志望動機、苦労した経験、乗り越えた体験談なんてのは、多少内容こそ違うものの、話の構成はみんな同じです。
みな同じだと著しい加点もありませんが、減点されることもありません。ここで点数を稼ぐのではなく、違うところで点数を稼ぎましょう。
ではどこで点数を稼ぐか。
大きな声(大きすぎてもダメ)で、はきはきと自信満々な態度で受け答えをしてください。
ただそれだけです。
それだけ?と思うかもしれません。
でも思い出してください。その程度の人たちが面接官なんです。
論理的に難しい話や、登場人物の多いエピソード話なんかしても、彼らには理解できないんです。
ともかく、同じ火災現場に向かう仲間として、大きな声ではきはきと受け答えが出来ることは非常に重要です!
ポイント4
面接官をやっている現役消防士であっても、その他大勢の消防士と何も変わりません。
身体を鍛えるのが趣味で、プライベートではスキニージーンズにピチピチのTシャツ着ていたりするもんです。
しっかりと折り目のついた流行りのリクルートスーツを着て、靴もピカピカに磨いておいてください。
しわしわのスーツや泥で汚れた靴など論外です。
なぜかは簡単です。
思い出してください。面接官は駅の券売機で、決まったことしか評価できないんです。
スーツが綺麗か、靴が汚れていないかは簡単に評価することができます。人の本質を見抜く能力のない面接官ですが、靴が綺麗かどうかは分かりますよね。
ポイント5
短髪が良い理由は、簡単に”覚悟”を表明できるからです。
消防士になった後は、いろいろな場面で覚悟が求められます。高所で救助活動する覚悟、体力の限界であっても立ち続ける覚悟、燃え盛る家の目の前に立ち消火活動をする覚悟 などなど
現役の大学生や高校生であって、現在も野球部などの髪形に厳しい部活に属しているのならいいのですが、それ以外の場合には、超短髪であることは少ないと思います。
一般的に見て成人男性の坊主や超短髪、威圧的であり、社会的に良いとはされていません。
分け目が付く程度の短髪が最も印象が良いことでしょう。
それは一般の社会においての話であり、消防は別です。坊主であったりが最も信頼の高い髪形です。
そのような一般社会で信頼度の高い髪形等を捨てて、消防での人生に覚悟を持っています!というアピールをすることが出来ます。
ポイント4と同じで、超定量的に採点基準を作ることが出来るので、現役消防士にとっては絶対に外せない採点基準ですね。
まとめ
本当は裏事情をしっかり理解して面接に挑んだ方が勝率は高くなりますが、時間のない人用にまとめると、ポイントは次のとおりです。
- 大きな声で答える
- 自信があるように話す
- 難しい話はしない
- 地味だけど綺麗な服装
- 短髪にする
一般的な公務員試験に向けての対策は最低限で大丈夫です。最低限の対策を終えたら、上記の準備をしてみてください。
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