この記事を読んでほしい人
- 女性消防士(救急隊を含む)を目指している人
- 現役女性消防士
- 諸事情により退職した元女性消防士
- 女性消防士と一緒に働く男消防士
女性消防士ポータルサイト
Googleで【女性消防士】と検索すると、総務省消防庁の【女性消防吏員の活躍推進のためのポータルサイト】というものが最上位に表示されます。
残念なことに、このサイトには、デメリットの記載はほぼ無く、【やりがい】なども含めてメリットを全面的にアピールしています。
消防士の仕事の紹介や、現役女性消防士さんのインタビューやらが掲載されていますが、これって、先に書いた【読んでほしい人】のどの層をターゲットにして書いているんでしょうか。
仕事内容の紹介は【1女性消防士(救急隊を含む)を目指している人】でしょう。そして、現役消防士のインタビューは【1女性消防士(救急隊を含む)を目指している人】と併せて【2現役女性消防士】もターゲットになっているのでしょう。
全国には同じように頑張っている女性消防士がいるよ。ということなのでしょうか?
このポータルサイトを作っているのは、総務省消防庁で、国の機関であることは分かると思います。
サイトのデザインなどは当然委託会社が作ってるのですが、掲載内容を決定しているのは、委託会社ではなく、公務員さんですね。
総務省消防庁で働く公務員のみなさんですね。
この公務員とは、国家公務員のみではありません。総務省消防庁で働いている公務員の多くは、地方からかき集められた現役の消防士(公務員)です。管理監督職は国家公務員で固められていますが、係員などの実働部隊は地方公務員の寄せ集めです。さらに、その人たちの大半は1~2年程度で交替して、入れ替わっています。
要は、国家公務員試験を突破する能力のない、他官庁と比較して能力的にも経験的にも劣っている人が、短期間でコロコロ入れ替わる状況の中でつくられたものってことですね。
ポータルサイトの目的
目的は、女性消防士を増やすことでしょうか?
女性消防士志願者を増やし、女性消防士の離職を減らすことで、女性消防士を増やす。
違います。
女性消防士を増やすことは目的ではなく、手段です。
女性消防士を増やすという手段により、国のが推し進める女性活躍推進を達成することが目的です。
国の女性活躍推進は階層的に、国⇒都道府県⇒市町村⇒各組織に降りてきて、それぞれに目標設定がされ、その目標達成度が予算配分や政策判断の基礎にされることも少なくありません。
つまり、女性消防士を増やしたいのではなく、女性を増やした結果得られる予算配分や事業実施の許可が欲しいってことです。
消防士を目指す女性が本当に知りたいことは?
- 消防の世界にセクハラはどのくらいあるのか
- 男性と同程度の筋力や体力を求められるのか
- トイレや更衣室は整備されているのか
- 訓練中に身体の接触はどの程度あるのか
- 消防署に個室はあるのか
- 災害対応中にトイレに行けるのか
- セクハラ被害に遭った際にどういった対応がされるのか
現役女性消防士が本当に伝えたいことは?
先の【消防士を目指す女性が知りたいこと】と対応して記載します。
- 消防の世界には様々なセクハラがある。卑猥な言葉、身体の接触、プライベート詮索、つきまといや盗撮など。男性消防士から多くのLINEメッセージが届き、プライベートでの付き合いを誘ってくる。断ると仕事に支障があるため、断ることができない。
- 男性と同様の筋力・体力は求められない。メタボの男性も多く、心配になることも多い。
- 勤務している消防署には、女性専用トイレや更衣室は整備されている。しかし、近隣の消防署には女性専用トイレの整備が無い場合もあり、連携訓練や長時間の事務打ち合わせが発生した場合にはトイレに行けない場合もある。
- 訓練中の身体の接触はあります。意図的に必要以上に身体を接触させてくる人もいるし、女性との接触はトラブルの可能性があるとして、連携訓練を実施しない男性消防士もいる。必要以上の接触があったとしても、セクハラとして処理してもらうのは難しいと言われるため、泣き寝入りするしかない。訓練を断ることもできない。
- 個室もしくは、女性専用スペース(更衣室のみの場合もある)が設けられている部署に配属される。
- 災害中にトイレに行くことは困難です。これは男性も女性も同じだと思います。ただし、中には物陰で立ち●ョンをしている人を見たこともあります。また、住宅密集地での火災の場合、近隣の住人の方が、トイレを貸してくれる場合も稀にあります。
- セクハラを受けた女性消防士は多くいますが、セクハラの加害者が処分されたことはありません。人事に相談しても「セクハラと認定されるかどうかは分からないし、審査を始めると、嫌な思いをすることも多い。その結果セクハラにならない場合もある。時間もかかるし、これから何年も勤務するのであれば、よく考えた方がいいのでは?」と言われるだけで、何も起こらない。
まとめ
女性消防士のポータルサイトや女性活躍の被害者は誰でしょうか?
得をしている人がいるのでしょうか?
少なくとも、女性は得をしているのでしょうか?
女性を道具としか考えていない男性集団の愚策に思えて仕方がありません。
目標が、国⇒都道府県⇒市町村⇒各組織と降りてくる中で、そういった人の割合が増えているんだと思います。
国としてはそういった現状を踏まえた上で、そういった人間が多い組織でも悪用されないような制度や目標を設定して欲しいものです。