さいたま市消防(高校卒業程度)、採用予定20人→11人で倍率7.5倍→10.3倍 大卒区分との差と、第1次試験で絞られる構造

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高卒消防は最終合格30人→21人、競争倍率は7.5倍から10.3倍へ

さいたま市が公表している職員採用試験の実施状況によると、高校卒業程度の「消防」区分の競争倍率(第1次受験者数÷最終合格者数)は、令和6年度の7.5倍から令和7年度は10.3倍へと上昇した。申込者数は263人から254人へとほぼ横ばいで、第1次試験の受験者数も225人から216人と、減少幅は小さい。一方で最終合格者数は30人から21人へ減っており、倍率上昇の主因は応募者の増加ではなく、合格枠の縮小にあると見られる。

同市が令和7年9月に発表した申込状況では、高校卒業程度の消防の採用予定人数は令和6年度の20人から令和7年度は11人に減っている。申込者数ベースの倍率も13.2倍から23.1倍に跳ね上がった。応募者はほぼ変わらないまま、募集の入り口が狭まった形である。

第1次試験の合格者が70人から52人に どこで絞られるのか

実施状況の表からは、選考のどの段階で人数が絞られているかも読み取れる。高卒消防の数字を並べると次のとおりである。

  • 令和6年度:申込263人 → 第1次受験225人 → 第1次合格70人 → 第2次受験66人 → 最終合格30人
  • 令和7年度:申込254人 → 第1次受験216人 → 第1次合格52人 → 第2次受験42人 → 最終合格21人

申込者のうち実際に第1次試験を受けた割合は、令和6年度が約86%、令和7年度が約85%でほぼ同水準だ。これに対し、第1次試験の合格率(第1次合格者÷第1次受験者)は約31%から約24%に低下している。第2次試験の受験者のうち最終合格に至った割合は、約45%(30人/66人)から50%(21人/42人)とやや上がっており、令和7年度は「最初の関門を絞り、残った受験者から半数を選ぶ」形に近づいたと言える。第2次試験で何が評価されたのかは公表資料からは分からないが、受験者側から見れば、第1次試験の比重が相対的に大きくなったと見ることもできる。

大卒区分は「消防A」「消防B」に分かれ、倍率に差が出た

大学卒業程度の区分は、令和7年度の実施状況の表では「消防A」「消防B」「消防(救急救命士)」に分かれている。実施状況ページには、AとBの具体的な違いは記載されていない。数字のみを比較すると次のようになる。

  • 令和6年度「消防」:申込256人、第1次受験202人、最終合格44人、倍率4.6倍
  • 令和7年度「消防A」:申込242人、第1次受験188人、最終合格27人、倍率7.0倍
  • 令和7年度「消防B」:申込44人、第1次受験27人、最終合格7人、倍率3.9倍

仮に令和7年度のAとBを単純に合算すると、申込286人、第1次受験215人、最終合格34人で、倍率は約6.3倍となる。ただし、区分の設計が前年度と同じとは限らないため、令和6年度の4.6倍との厳密な比較には注意が必要である。それでも、最終合格者数は44人から34人へ減っており、高卒区分と同様に合格者数が絞られる方向にあることは共通している。

高卒の消防(10.3倍)と大卒の消防A(7.0倍)を同じ令和7年度で比べると、高卒のほうが3.3ポイント高い。申込者数はどちらも250人前後とほぼ同じだが、最終合格者数は高卒が21人、大卒の消防Aが27人で、高卒のほうが少ない。同じ程度の応募者数でも、合格者数の大きさによって倍率に差が出ていることが分かる。

救急救命士区分は倍率が小さく、人数も少ない

資格を前提とする消防(救急救命士)区分は、規模が小さい分、年度ごとの人数の揺れが倍率に出やすい。

  • 大学卒業程度:令和6年度は第1次受験38人、最終合格6人で6.3倍。令和7年度は受験46人、最終合格5人で9.2倍
  • 高校卒業程度:令和6年度は受験28人、最終合格7人で4.0倍。令和7年度は受験25人、最終合格6人で4.2倍

高卒の救急救命士区分は2年間で4倍台と安定しているが、大卒では最終合格者が1人減り、受験者が8人増えただけで倍率が約3ポイント上がっている。人数が数人規模の区分では、倍率の数字だけで難易度の変化を判断するのは難しい。

受験を考える人が数字から読み取れること

今回の数字から言える一般的なポイントは三つある。

第一に、倍率は応募者数だけでなく採用予定人数に大きく左右される。令和7年度の高卒消防は、応募者がほとんど減らないまま予定人数が20人から11人へ半減した。応募者数の増減だけを見ていても、難易度の変化は見えにくい。

第二に、公表される「競争倍率」は、第1次受験者数を最終合格者数で割った値であり、申込者数ベースの倍率(23.1倍など)とは大きく異なる。比較する際は、どの数字を分母にしているかを揃える必要がある。

第三に、最終合格者数が採用予定人数を上回る年度がある点にも留意したい。令和7年度の高卒消防は、採用予定11人に対し最終合格者が21人だった。この差の背景は公表資料からは分からないが、辞退者の発生を見込んだ名簿登載の仕組みなど、複数の要因が考えられる。ただし、これは推測の域を出ず、実際の運用は市の人事委員会などに確認する必要がある。

数字から見える今後の見方

採用予定人数は年度によって変動し、令和8年度以降も同じ傾向が続くとは限らない。今回の2年分の数字だけで、さいたま市消防の採用の方向性を断定することはできない。受験を検討する人は、最新の募集案内で採用予定人数と試験区分の構成を確認したうえで、過去の実施状況を参考にするのが現実的だろう。なお、本記事の数字は同市が公表したものに基づくが、試験区分の定義や選考方法の詳細は、必ず最新の公式案内で確認してほしい。