先月、東京・昭島市の国道で救急車が中央分離帯に衝突して横転し、救急隊員3人が軽いけがをする事故があり、警視庁は居眠り運転が原因とみて調べています。
都内では新型コロナウイルスの感染拡大の影響で救急搬送が増えていて、隊員たちはおよそ17時間連続で現場で対応していたということです。
警視庁によりますと、先月29日、昭島市拝島町の国道で患者の搬送を終えた救急車が中央分離帯に衝突して横転する事故があり、救急隊員の3人が軽いけがをしました。
車内のドライブレコーダーには、運転席と助手席の隊員が居眠りをする様子が写っていたほか、後ろの座席の隊員も眠っていたということです。
警視庁は居眠り運転が事故の原因とみて調べています。
都内では新型コロナウイルスの感染拡大の影響で救急搬送が増えていて、東京消防庁によりますと事故があった日の救急車の出動率は一時、95%を超えていて、隊員たちは事故が起きるまでおよそ17時間連続で現場で対応していたということです。
引用元:NHKニュース
世の中の反応
以下はネット上で目についた世の中の反応ですね。基本的には全て浅はかな批判や判断であり、こういった考え方自体が消防の腐敗を加速させます。つまり、こういった批判しかできない人が、今回のような救急車の事故を発生させたとも言えるのでしょう。
起こるべくして起こった
人員の不足を現場の医療従事者の負担で乗り切るのでは危険
行政と医療機関に挟まれてる救急車(消防隊員)に対する配慮がもっとあっても良い
この事故は必然
人を増やすことは簡単ではないが、まずは働きに値する環境を
救急隊の方々は強い責任感と助けたいっていうその信念で日々活動
日本の救急や消防も有料化するべき
24時間勤務でずっと運転業務に携わるのは事故になっても当然
過酷すぎて、言葉がない
少ない予算で安月給で、補充も無くやってる
過酷な労働条件の中、自分の生活も捨て働いている方々、どうかご自愛ください。
事故の原因が長時間勤務だとするなら自分は救急隊員を責めることはできません。彼らは高い責任感をもち働き続けている
24時間勤務は、人件費圧縮のため
救急隊員を増やすと、増税が必要になります
疲れて眠いって 言いやすい環境を作れなかった 上司や職場の環境も残念
関東の主要都市で救急救命士として救急隊で勤務しています。 救急車が横転している画像を見て涙が出ました。
無限と言ってもいいほど、浅はかで無能な批判が多いので、この程度で止めておきますが、本当に背景まで考慮して擁護するべき事故なのでしょうか?
過去に観光バスが事故を起こした際も、同様の勤務状況であったにも関わらず、運転手や運営会社への擁護は皆無でした。悲惨な事故を起こすような状況になるような運営状況、勤務状況、体調管理のすべてに責任があるというような批判が多く見られました。
今回の事故と何が違うのでしょうか?
運転手の責任
居眠り運転になるまで運転していいのですか?居眠りする前に休憩、休息をとるのが運転免許を所持する者の責任ではないでしょうか?
救急隊としては愚か、公務員としても、そもそも運転免許証の交付を受けた者としての責任を一切果たしていません。
この救急隊に対して擁護するような意見を書いている人たちは、「疲れていたら居眠り運転も止むを得ない。疲れていたら寝ながら運転してもオーケー!!」と考えているのでしょうか?そういった考えの人は早急に運転免許証を返納して欲しいですね。
どんな事情があろうとも、居眠り運転が許容されることはありません。居眠り運転を未然に防止する責任が運転する者にはあるのです。
居眠り運転をする前に休憩や運転業務の交替などを申し出る、居眠り運転にならないように同乗者に協力を求めるなどが出来たはずです。
さらに言えば、救急車運行中は公務中であり、賃金が発生しています。公務中に居眠りです。
市役所や区役所に行った際に、窓口に座っている人が寝ていたらどう思いますか?
つまりコレです。
公務中に居眠りをすることは許されない。税金泥棒ですよ。
役所の窓口に座っている人の業務も非常に多忙な場合もあります。特に、生活保護を扱うケースワーカーともなると、土日も休みなく、朝6時出勤、退勤は1時過ぎという日が1箇月以上続く場合もあります。
この人は窓口で居眠りしません。起きていられなくなったら、先輩上司に申し出て、会議室や休憩室で短い仮眠をとることでしょう。それが社会人としての常識です。
しかしながら、この救急隊員は、見事に公務中に堂々と寝てしまったのですから、重い責任を問われるべきでしょう。
公務中に窓口で居眠りしてしまうような人は、高い正義感を持っていると言えるのでしょうか?
高い正義感を持っているのならば、事故を起こさないために最善を尽くしたはずです。居眠り運転をするほどの眠気を感じたのであれば、運転を中止するのが正義感です。
正義感が無いからこそ、こういった行為を行ったのでしょう。
緊張しながら寝ることがありますか?リラックスしているからこそ眠るのです。
周囲の職員の責任
次に、周囲の職員の責任について言及します。
消防署には救急車以外にも消防車が常駐しています。そして、その消防車に対しても人員が配置されています。通常、一台の消防車に対して、3~5名程度の人員が常時勤務しています。
そしてこの人員はいわゆる消防士であり、最低限の救急の知識は持っています。そして、多くの場合救急隊としての資格も有しています。
つまり、規則上は正規の救急隊員として勤務することが認められているのです。
こういった人たちも、今回事故を起こした当事者と同じように、起きていることすらママならないほどの状況だったのでしょうか?
絶対にそんなことはあり得ませんね。
ここの消防署で勤務する人たちは、「自分が楽なら他の隊員が寝不足で苦労しようと、居眠り運転をする程の状況であっても気にしない」と考えているのでしょう。
人を助けたいとか、人命救助とか、正義感とかそういった感覚を持った人が集まっているのであれば、安全管理や危機管理は絶対です。
そういった感覚を持っているのであれば、疲労状態の仲間・隊員に対して休憩の場を用意したり、体調を確認したりするのが当然の感覚なのではないでしょうか?
しかしながら、そういったモノは持ち合わせていなかったようですね。
他人が苦労しようと、我関せずといった考え方の人が集まった集団なのでしょう。
果たして、こんな感覚の人たちが、適切に火災の消火活動や救助活動が行えるのでしょうか?
同じ建物で勤務する救急隊員ですら、不適切に扱うような人々が、被災状態にある市民住民に対して適切に対応するのでしょうか?
答えは当然ノーですね。
批判を受けない程度、専門家で判断が適切にできる人間以外からは問題視されない程度にしか活動しないことでしょう。本来1軒で延焼阻止できたはずの火災で、2軒も3軒も燃やしちゃったりするような活動しかしていないのでしょう。
組織としての責任
ここまで理解することができたのであれば、事故を起こした本人とその周囲の人間らが、重い責任を追及されて然るべきということは理解できたものと思います。
次に問題となるのが、組織としての責任です。
このような状況を放置したことの責任がある!なんてことを言いたいのではありません。
そもそも、この状況を理解できていないのだから・・・と言った方が正確な表現でしょう。
24時間勤務は予算の都合
消防が24時間制の交替勤務を行っているのは、予算上の都合ではありません。管理が容易だからです。複雑なシフトを組むとなると、シフトを作成することのできる人を育てる必要が出てきますが、消防職員からそういった人を育成するのは、非常に困難です。フルマラソンを2時間半以内に完走する消防士を育成する方が1000倍簡単でしょう。
また、複雑なシフト勤務となると、人員配置や階級統制上の問題が発生すると考えている人が多いですね。
ある一時点において、勤務者全員の勤務時間が揃わないと、人事異動するときに不公平が生じるとか、誰の上司が誰なのかが分からなくなるとか、意味不明な理由が複雑に飛び交い、結局100人中100人が理解できる、24時間交代の勤務体制に落ち着くわけです。多くの場合、人員効率も災害対応公立も悪いにも関わらず・・です。
さまざまな背景的な不適切運用はありますが、組織としては、17時間連続勤務が生じた原因のひとつに、24時間勤務を続けてきたという責任もあるわけです。
救急隊を増やすと増税
救急隊を増やしても増税は必要ありません。
消防が行っている行政活動は多くの無駄が存在しています。さらに、火災件数は年々減少そして、火災により被災した面積も減少傾向にあります。
大規模な施設での火災が報道で取り上げられる機会が多いため、間違った印象を受けている人も多いでしょうが、実際には一般的に発生している火災は減少傾向です。
つまり、人員の再配置の余地が多分にあるわけです。
世の中のニーズに合わせて、人員や車両の再配置をフレキシブルに対応していくのが本来の行政・消防行政の役割であるはずです。しかしながら、その責任を果たしていないため、業務負担の平準化が実施されることはなく、一部の隊員に過剰な負担がいくわけです。
最大の問題点
最大の問題点は、消防行政の問題点について本質を理解することの出来る消防職員がいないことですね。
さらに言えば、これらは問題ではないとすら考えている。
自分以外の誰かが苦しもうとも、関係ない。と思っているから。
消防士とはそういった存在なのかもしれません。