【中津川市】不思議な消防体制【思考停止】

中部地方

引用元:市HP

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消防の勤務体制≒消防体制

 中津川市消防本部の職員定数は112人となっており、超小規模な消防本部となっています。受け持ち区域の人口が7万5千人程度であることを考えると、決して少なすぎるということはなく、少々多いとも言えます、つまり、消防職員数は適切な範囲であると言えるでしょう。

 限られた人数ではあるものの、112人のうち何人を勤務させて、何人を休ませるのが適切なのか、そして、どの場所にどの程度の車両を配置して、何人を乗車させるのか、休み中の職員のうち何人を待機職員として指定するか等々、さまざまな検討をして配置を決定する必要があります。

 当然人口が少ない場所よりも人口が多い場所の方が救急要請は増えますし、住居が点々としている地域よりも住宅が密集している地域の方が火災の延焼危険が高くなります。

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隔日営業の消防署

 今回話題となった坂下分署は8人の職員が配置されており、交替しながら常時3人以上の職員が勤務していたようです。

 今回は8人中3人が勤務不能の状態となってしまい、常時3人以上の職員を配置することが困難となってしまったため、消防本部全体で人員調整をした結果、偶数日は閉鎖し消防体制を100分の0とする。そして奇数日は通常通り100%の勤務となるようです。

 なぜ偶数日50%、奇数日50%の配置にしなかったのでしょうか?

 偶数日よりも奇数日に救急や消防の用性が多くあるという統計があるのでしょうか?

 様々な消防統計の作成や分析を実施してきましたが、残念ながら奇数日と偶数日に着目した統計調査は見たことがありませんし、そういった事実は無いでしょう。

 万が一偶数日と奇数日で災害発生りつに偏りがあったとしたら、人間行動学的な発見に繋がるのではないでしょうか?

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変な消防体制になった理由

 理由は簡単ですね。奇数日50%偶数日50%にする方法が分からないからです。

 これに尽きますね。偶数日と奇数日の災害発生率の違いは分からない。消防署で勤務する人は24時間勤務である。24時間全日程を勤務させるには人が足りない。勤務者が3人以上いないと緊急車両を適切に運用できない。

 こういった思考回路であるのでしょう。

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日勤救急隊との関連

 都市部を中心に日勤の救急隊の配置が進んでいます。

 残念ながら、日勤救急隊の配置理由が非常に稚拙な消防本部も多く、消防体制という目的の場合もあれば、セクハラ目的の場合もあるようです。

 とはいえ、理にかなっている部分もあります。救急要請は時間帯に偏りがあり、朝5時頃から夜7時頃までの時間帯に偏っているとも読み取ることができるため、その時間帯を網羅的とはならないまでも多くをカバーする時間帯に救急隊を増隊して救急車を多く走らせるという対策を取っているわけです。

 火災の発生状況については、件数が多くないため救急程の偏りはないものの、夜間よりも明け方や日中の炊事時間帯に多く発生しているのは事実です。

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まとめ

 このような状況を認識しているのであれば、3人を24時間交代で勤務させるのではなく、夜間に消防署を閉鎖して、日中を中心に消防体制を手厚くすることが最適となるはずなのです。

 残念ながら、職員数が少ない消防本部であると、適切な対応がなされないのは日常的に発生していることです。

 最低でも職員数が500人以上、できれば県全域で消防体制を構築するようにすれば、今回のような悪い政策が決定されることも減ることでしょう。

 ただし、広域化するだけでは悪政は改善しません。有能な職員を確保するための職員募集が今後重要になってくることでしょう。

おわり。