昇任試験や採用試験において小論文を書く際の採点のポイント・採点基準を整理したいと思います。
採点者を確認する
大前提として、小論文の採点者が誰なのかを確認することが重要です。
採用試験であれば、専門の試験機関で採点することになっているので、専門家たちが確たる基準を持って論理的に採点しているため、心配はありません。
一方で、一部の昇任昇格試験における小論文は、消防長や総務課長、人事課長等が採点する場合もあります。この場合は要注意です。好き嫌いで採点が変わるし、彼らに国語力があるとは限らない。むしろ、国語力が無いと言っても過言ではないでしょう。彼らが採点する場合は、あまりにケースバイケースのため、体系的な解説をすることはできません。
専門機関の採点基準
内容について
●テーマ、条件に合致しているか
●意見が書けているか
●意見の理由・根拠が論理的に説明できているか
●全体的な構成に矛盾はないか
●資料などから読み取った内容の記載があるか
文章体裁について
●正しい文法で書けているか
●誤字脱字はないか
●正しい言葉使いであるか
●主述関係が乱れていないか
●修飾語の使用は適切なものか
●適切な接続語が使用できているか
●文体は統一されているか
原稿用紙の使い方について
たくさんあるので箇条書きは省略します。
注意するべき項目
採用試験では一般常識的な内容の出題も多くありますが、昇任昇格試験では専門的な内容の出題も目立ちます。
例えば、特定の階級を指定し「●●という階級に求められるものとは」とか「職場におけるチームワークについて考えを述べよ」とかって感じの出題がされるわけです。
こうなってくると問題になるのが「消防ではない小論文の専門機関に上記のような消防特有の内容の適正性が判断できるのか」ということです。
消防の常識は社会の非常識
これは紛れもない事実です。
この組織における常識を記載してしまうと、社会的にアウトな事が多数あるので、本来は小論文としては減点対象となってしまうのですが、そうすると、社会的にアウトだけれども消防的には適任という人を評価することができなくなってしまいます。
つまり、先に書いた「採点基準の内容について」については、ほぼ採点することができないということです。
裏を返せば、それ以外の項目が非常に重要になるということです。
内容なんてどうでもいいので、正しい文章を書けってことです。
例外事項
ただし、例外事項もあります。
昇任昇格試験の実施事務を取り扱っている部署が適切な事務を行っていない場合です。
小論文試験の実施にあたって、外部機関に業務委託することとなるわけで、当然金銭的なやりとりが発生するわけです。1件当たり何円みたいな感じで。
地方公共団体等が業務委託契約を結ぶ場合、詳細な契約書を交わす必要があり、その契約書を作成するのは昇任昇格試験の実施事務を取り扱っている部署です。
この契約書を作成する際に、評価対象とする小論文の内容と、評価対象としない小論文の内容を具体的に記載している場合があるのです。
こういった取り扱いをするような部署がまともな内容を記載するわけがありません。
こうなってくると、いかに媚びを売るかというだけの無駄な試験になってしまっているので、より洗脳されている無能な人間ばかりが試験をパスしていくという結果になるわけです。
あなたの組織はどうですか?有能な人間が合格していますか?なぜ?と思うような無能な人間が昇格していませんか?
結論
一部の例外を除いて、文章体裁が非常に重要になってくるということです。
消防職員で適切な文章を書くことのできる人は非常に少ないです。
(適切な文章を書けていると思っている人は非常に多いです。)
特に、●正しい文法で書けているか、●正しい言葉使いであるか、●主述関係が乱れていないか、●修飾語の使用は適切なものか、●適切な接続語が使用できているか、●文体は統一されているか というこれらが、具体的に詳細に何を指しているのか説明できないようであれば、あなたは適切な文章を書けていません。
どんな小論文対策の講座を受けようとも、模範解答を読もうとも無駄です。
さっさと具体的な添削を受けることをオススメします。
残念なことに、適切な文章を書けていると思っている人はこれらの文章も理解できないので、書けるようにもならないという負のスパイラルに陥っているという側面もあります。