【消防士になるなら「高卒採用」が圧倒的に楽な理由】

偏差値
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【前提:高卒と大卒の“別世界”な採用試験】

 「消防士になりたい」と考えたとき、まず立ちはだかるのが「採用試験」です。そしてこの採用試験には、大きく分けて【高卒区分】と【大卒区分】の2種類があります。

 この2つは名前こそ似ていますが、受験者の学力層・問題の内容・競争環境がまるで異なる別物です。

 本記事では、消防士を志望するのであれば【高卒での受験が圧倒的に楽】である理由を明確に示していきます。

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【高卒採用:想定されている“対象層”がまるで違う】

高卒区分の試験は、よく「簡単だ」と言われます。その理由は明快です。

そもそも試験設計上、対象としている人間のレベルが低いのです。

 現代の高校事情を見ればわかりますが、偏差値45程度の高校ですら「大学進学」を前提にカリキュラムが組まれているのが当たり前になっています。

 つまり、それより下の学力層を対象にしなければ受験者数が集まらないのです。

 さらに言えば、現在高卒採用試験を受ける層には、高校受験そのものをまともに突破できなかった層も含まれています

そのため、出題される問題のレベルは、

  • 数学:中学3年程度
  • 国語:高校1年の基礎問題以下
  • 社会:中学地理歴史レベル
  • 英語:中学英語+アルファ(あっても)

と、高校入試よりやや簡単な程度で構成されていることが多いのです。高卒区分の試験なのに、高校入試レベルなのです。

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【大卒区分:滑り止め受験でもレベルが違う】

 一方で、大卒区分の受験者はというと、市役所や県庁などの地方公務員を志望する層の“滑り止め”として受験してくるケースが多くなっています。

 しかも、それらの試験には対策予備校や過去問集が山ほど出回っており、ある程度真剣に勉強している人が多い。

 つまり、「たまたま受けてみた」というような軽い気持ちでは、合格できる可能性は非常に低いのです。

 もちろん、現実としては公務員試験全体の難易度も低下傾向にあるため、「大卒区分=激ムズ」というわけではありません。

しかしながら、高卒区分とはまるで別物の試験内容であるのは間違いありません。

大卒区分では、

  • 数的処理や資料解釈などの思考系問題
  • 文章理解や英文解釈などの応用国語力
  • 時事問題や法律系の教養要素

 など、明らかに大学受験後に磨かれる知識・思考力が要求される内容が多数出題されるため、中学生レベルの学力ではまず対応できないのです。

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【なぜ“高卒で消防士”が現代では賢い選択なのか】

 現代の日本では、「とりあえず大学へ」という風潮が強く、学力が乏しくても大学進学を勧められるケースが非常に多くなっています

 特に地方の高校では、進学実績を少しでも上げるために、偏差値40台の大学であっても“推薦で押し込む”ような教育方針が主流です。

 こうした流れに乗って私立文系の“Fラン大学”に進学したとしても、そこでは高度な知識や実践力が求められるわけではなく、卒業したからといって特別な職能が備わるわけではありません

 結果、彼らは学士号を持っただけの中学生と同じような存在になります。
そういった人たちが、大卒区分の消防採用試験に挑んでも、問題の難易度に太刀打ちできるはずがありません。

対して、高卒で消防士を目指す場合は、

  • そもそもの競争相手の学力レベルが大きく違う
  • 出題範囲が狭く、基礎中心である
  • 数か月の対策で十分合格ラインに到達できる

というように、明らかに有利な戦略が取れるのです。

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【むしろ“大学に行くこと”こそが遠回りになる場合も】

 消防士になることを最終目標としている場合、わざわざ大学へ進学する意味があるのか?という点を再考する必要があります。

現実として、大学進学によって得られるメリットは、

  • 学歴加点がある(場合もあるが、ないところの方が多い)
  • 大学生活で視野が広がる(かもしれない、そもそも消防士になりたくなくなる)

程度であり、消防士という実務職においては即効性も有用性もそれほど高くはありません。

むしろ、大卒になることで受験区分が変わり、

  • 試験が難化
  • 合格倍率が上がる
  • 専門試験への対策が必要になる

といった、明確なデメリットの方が大きいと言えます。

 さらに、消防組織内の昇進やキャリアパスも、実務能力と組織内評価がものを言う世界であり、学歴が影響を与える場面は限定的です。


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【高卒採用→現場経験→内部昇任こそ王道ルート】

消防士として長く安定して働きたいなら、最も現実的なのは、

  1. 高卒で受験・合格し、若いうちから現場経験を積む
  2. 20代後半〜30代で昇任試験に挑み、班長・係長などを目指す
  3. 実績と経験に基づいて評価され、係長・指導職・幹部候補としての道が開かれる

という内部育成型のキャリアです。

この道の利点は、実力主義・成果主義に基づいて評価されやすい点にあります。
特に現場では、座学で得た知識よりも「現場対応の柔軟性」「仲間との連携力」「冷静な判断力」が評価される傾向があり、若いうちに現場を経験しておくことが圧倒的なアドバンテージとなります。

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【まとめ:消防士を目指すなら“早く・安く・確実に”】

結論として、消防士になりたいという目的を最短で叶える手段は、間違いなく高卒採用枠での受験です。

高卒区分は、

  • 試験の難易度が非常に低い
  • 勉強が苦手でも合格できる可能性が高い
  • 早く現場に出て実務経験を積める
  • 長期的に見てもキャリアの差はつかない

という明確な利点があります。

一方で、大卒区分は、

  • 試験が難しい上に倍率も高くなる
  • 実力のない大卒者では歯が立たない
  • 結局、高卒者と同じポジションから始まる

という“遠回り”になりやすいルートなのです。

「本当に消防士になりたいなら、大学よりも現場」
これが、現場を知る者たちのリアルな視点です。