この記事を読めば消防士採用試験のウラが分かるし、偏差値45未満であっても余裕で合格することができます。
筆者は、10年を超える消防士としてのキャリアがあり、その多く期間を人事等の業務を担当していました。元消防士を語る人は世の中に多数いますが、そのほぼ全ての人は、現場の消防士を数年で辞めた人たちです。私のように、人事などの消防の基幹事務を経験している元消防士は殆どいません。
その点から、他の消防士採用試験突破方法を語る記事とは一線を画すと思っています。
随時個別相談も受け付けていますので、良質な情報をキャッチし、消防士採用試験合格を目指してください。
- 何度も受けているのに、なかなか筆記試験を突破できない 公務員試験浪人
- 浪人して1年かけて準備してきたのに合格できない
- 毎日10時間勉強したのに合格できない
- 試験問題は難しいし範囲が広くて、なかなか勉強が捗らない
- 勉強は苦手だし、仕事をしながらでは勉強時間を確保できない
- 数学はある程度できるけど、地理歴史とか時事問題は無理!!
消防士採用試験の倍率は3~20倍以上と幅広く、3年目でようやく合格した人や、5年目でも合格しない人、公務員試験最終年度に突入してしまった人など様々です。
消防士の採用試験は、その仕組みを理解してしまえば簡単なんです。
偏差値が45に満たない人であっても、合格することは簡単です。
筆記試験を突破できない人に向けて
消防士の採用試験は、筆記試験、体力試験、面接試験の3種類が一般的です。
地方によっては、筆記試験と体力試験を合わせて一次試験としているところと、退職試験と面接試験を合わせて2次試験としているところなど、様々ですが、あくまでも分類の問題で、3種類あることには変わりありません。
そして、筆記試験の倍率が最も高く、ここを突破できない受験生が非常に多くなっています。
確かに、消防士という身体が資本の仕事において、時事問題や計算問題、英文読解等、直接的に役に立つことが少なそうな試験を苦手とする気持ちは理解できなくもないです。
受験者層と合格者層を知る
まずは受験者層と合格者層を知りましょう。
公務員試験最難関といえば国家一種いわゆるコクイチでしょうか。この試験の受験者層と消防士採用試験の受験者層は同じでしょうか?
もちろん答えはNOです。受験者層の重なりこそありますが、全体的には異なります。
消防士の採用試験における偏差値別合格率を考察してみましょう。公式なデータはないので、あくまでもヒアリングベースです。
受験者偏差値 | 合格率 |
偏差値65以上 | 95% |
偏差値55から65 | 30% |
偏差値45から55 | 15% |
偏差値45未満 | 4% |
偏差値が65以上の人であれば、筆記試験はほぼ間違いなく合格することが出来るレベルです。理系文系の別や得意不得意にもよりますが、国立大学の理系学生であれば勉強せずにぶっつけ本番で突破する人もいるでしょう。
いわゆるA判定ってやつです。
偏差値45未満となると、合格率は約4パーセント程度です。対策をしっかりした人でなければ合格は難しいでしょう。いわゆるE判定ってやつです。
上の表に、受験者数と最終合格者数を重ねてみます。受験者総数が160人で倍率が8倍、最終合格者数が20人となった試験の例を示してみます。
受験者偏差値 | 合格率 | 受験者数 | 受験者割合 | 最終合格者数 | 合格者割合 |
偏差値65以上 | 95% | 4 | 3% | 3 | 15% |
偏差値55から65 | 30% | 20 | 13% | 6 | 30% |
偏差値45から55 | 15% | 56 | 35% | 8 | 40% |
偏差値45未満 | 4% | 80 | 50% | 3 | 15% |
偏差値65以上の受験者が4人中3人合格しているにもかかわらず、偏差値が45未満の受験者は、160人中80人いて、そのうち3人しか合格していません。
グラフに落とし込むと下のようになります。
受験者層が幅広いからこその盲点があります。
試験対策は勉強だけじゃない 試験の最低点を知る(予想する)
試験対策は勉強するだけではありません。試験問題の傾向を掴んだり、試験の雰囲気に慣れたり、試験の難易度を掴むことも重要な試験対策となります。
試験によって、それぞれの重要度は異なりますが、消防士採用試験において大切な対策は、試験の合格最低点を分析することです。
合格最低点の分析が必要な理由は、受験者層が幅広いからで、先の表に試験点数を追加してみるときっかけが見えます。実際のテストは100点満点ではない場合もありますが、分かりやすさを優先して100点満点のテストであったとします。
受験者偏差値 | 合格最高点 | 合格最低点 |
偏差値65以上 | 65 | 55 |
偏差値55から65 | 60 | 50 |
偏差値45から55 | 55 | 45 |
偏差値45未満 | 50 | 40 |
どうでしょう。どう感じますか?
合格者全体では最高点が65点で最低点が40点です。
40点取れば筆記試験を突破することができるということです。
そして、偏差値55から65の区分の人であっても、合格者が20人中6人で、不合格となった14人は40点未満の点数しか取れていないんです。
適正に筆記試験による評価が出来ている試験であれば、こんなことは起こりません。
多少の誤差はあるものの、偏差値の高い順に合格者が出るはずなんです。しかし、消防士の採用試験ではそうはなっていないんです。
偏差値55から65の区分の人であっても、半数以上が合格点を取れないんです。
はっきり言って試験問題が適切ではないんです。
適切な試験問題を用意できない理由
偏差値が低い人であっても合格するチャンスがあるような、下剋上が可能な試験となってしまうのには原因があります。
それは、消防士だけを対象にした試験ではないからです!
消防士の採用試験は自治体や消防本部ごとに実施されますが、多くの場合、問題はその市役所等の事務職員を対象とした試験と同じ問題です。
そのため、問題が難しく設定されているんです。
適正な評価を目的とする試験の場合、受験者のレベルを適正に把握し、点数が適切にばらけるテストにする必要があります。
そのため、市役所などの事務職員向けに作られた試験では、消防士の採用試験を受ける人にとっては難しすぎるんです。
それなら消防士専用の採用試験を用意すればいいではないかと考えてしまいそうですが、コスト的な問題と、職員の偏差値をばらつかせたいという思惑から、専用試験が用意されることはありません。
最低点以上の点数を取れば合格する
当然のことを書きましたが、最低点を実際に予想してみて分かりましたか?
最低点が低いんです。
そして、偏差値が高くても豪額最低点を下回る人が多いんです。
試験問題の科目は公表されている
出題科目は下記のとおり
- ●数的処理(数的推理、判断推理、空間把握など)
- ●文章理解(現代文、英文など)
- 〇人文科学(地理、歴史、倫理など いわゆる「社会」)
- 〇自然科学(数学、物理、化学など いわゆる「理科」)
- 〇社会科学(政治、経済、法律など)
- 〇時事問題
出題数の割合は、●の問題が6~7割、〇の問題が3~4割といった感じです。
資格試験と違って科目合不合格はありません。時事問題が0点でも合格します。
合格最低点は4割程度ですよね。
全部解く必要は無い!と感じますか?
違います!
全科目勉強する必要が無いんです。
全科目勉強すると不合格になる
合格最低点4割、安全地帯を目指して50点を目標にしてみましょう。
どの科目で点数をとるのか決めてしまいましょう。
例えば、
- 数的処理は正答率8割を目指す。
- 文章理解は英語が苦手ではあるが、正答率5割を目指す。
- 比較的得意な人文科学は正答率6割を目指す。
- 他の問題は読まずに2をマークする。
これでどうでしょうか。上記の通り回答出来れば正答率5割で50点獲得です!
上位試験の過去問を解く
当たり前ですが、過去問と同じ問題は出題されません。
とはいっても、無限に問題を作ることは容易なことではないため、使いまわしが多いです。
しかしながら、地方上級試験で過去に出題されたものが、同じ地方上級試験で出題されることはめったにありません。
地方上級試験の過去問題は、地方中級や地方初級の試験に改編して出題されます。もちろん、若干ですが内容は簡単になっています。
特に、数的処理や文書理解の問題は、上位試験からの使いまわしは多いです。
科目を絞れば負担は減る
自分の得意・不得意から、点数を取る科目を絞っているため、勉強する範囲は一気に狭くなったと思います。
政令指定都市消防を受けるのであれば、国家2種や国家1種の過去問を、地方大都市を受けるのであれば、国家2種や都道府県、政令指定都市の過去問を解くなど、上位試験の過去問を解きましょう。
全科目でその対応は無理ですが、ここまで読んでくれた方であれば、全範囲勉強が無駄なのは分かってもらえたと思います。
科目を絞って点数を取らなければならないところだけ、難しい過去問を解きましょう。
最後に
公務員試験のなかでも難易度が低いとされる消防士採用試験ですが、受験層を考えれば、決して簡単な試験ではありません。
しかしながら、システム上の不備(適正な試験問題を用意できない、高偏差値の職員が増えると現職の消防士が困る)により、簡単に合格する方法もあります。
しっかりとシステム上の不備を突き、合格しましょう。
消防士として大変なのは、採用後・入職後であるべきです。
入って満足してしまうような燃え尽きは避けましょう、まずはさらっと筆記試験を突破しましょう!