浜松市消防士、第1類は2.7倍・第3類は8.4倍 令和7年度の同じ年に生じた区分間の差と、令和5年度との比較

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同じ年度で3倍以上開いた倍率

浜松市の令和7年度職員採用試験では、第1類消防職員(消防士)の最終倍率が2.7倍だったのに対し、第3類消防職員(消防士)は8.4倍だった。同じ年度、同じ「消防士」という職種でありながら、区分によって倍率に約3倍の開きがある。本記事では、浜松市が公表している実施状況をもとに、この区分間の差がどこから生じているのかを整理する。なお、ここでの「倍率」は、浜松市の公表表にならい「受験者数÷最終合格者数」で示されたものである。

令和7年度の数字を区分別に並べる

浜松市が公表している令和7年度の実施状況は次のとおり。

  • 第1類消防士(第1次試験日6月15日):採用予定7人程度、申込51人(申込倍率7.3倍)、受験41人、一次合格20人、最終合格15人、倍率2.7倍
  • 第3類消防士(第1次試験日9月28日):採用予定4人程度、申込57人(申込倍率14.3倍)、受験42人、一次合格11人、最終合格5人、倍率8.4倍
  • 第3類救急救命士(同日):採用予定4人程度、申込21人(申込倍率5.3倍)、受験12人、一次合格4人、最終合格2人、倍率6.0倍

受験者数だけを見ると、第1類消防士の41人と第3類消防士の42人はほぼ同じである。それでも倍率が大きく異なるのは、最終合格者数が15人と5人で3倍の差があるためだ。つまり、この差は「受験者の多さ」ではなく「合格枠の大きさ」から生じている。

一次合格率と合格者数の「予定との差」

一次試験の通過率を計算すると、第1類消防士は41人中20人で約49%、第3類消防士は42人中11人で約26%となる。第3類のほうが一次段階で絞り込まれており、二次以降に進める人数が少ない。

もう一つ目を引くのが、採用予定人員と最終合格者数の関係である。第1類消防士は「7人程度」の予定に対して15人が最終合格しており、予定の2倍超にあたる。一方、第3類消防士は「4人程度」に対して5人、第3類救急救命士は「4人程度」に対して2人と、予定との差は小さい、あるいは予定を下回っている。

また、申込者のうち実際に受験した割合は、第1類消防士が約80%(41/51)、第3類消防士が約74%(42/57)、第3類救急救命士が約57%(12/21)だった。申込倍率と実際の競争の厳しさは、必ずしも一致しないことが分かる。

令和5年度と比べてみる

比較のため、令和5年度の公表数字も確認する。

  • 第1類消防士:6月18日実施分は採用予定7人程度、受験38人、最終合格9人で4.2倍。2月10日実施分は採用予定10人程度、受験17人、最終合格6人で2.8倍
  • 第3類消防士(9月24日実施):採用予定5人程度、申込61人、受験42人、最終合格9人で4.7倍
  • 第3類救急救命士:採用予定3人程度、申込29人、受験18人、最終合格6人で3.0倍

第3類消防士に注目すると、受験者数は令和5年度・令和7年度ともに42人で同数である。にもかかわらず倍率は4.7倍から8.4倍へ上昇した。最終合格者数が9人から5人に減ったことが主因であり、応募者が急増したわけではない。申込者数はむしろ61人から57人へやや減っている。

第1類は令和5年度が年度内に2回実施されていたのに対し、令和7年度の公表欄には6月の1回分のみが掲載されている。公表表の数字を合算すると、令和5年度は受験55人・最終合格15人(約3.7倍)となり、最終合格者数は令和7年度の15人と同数である。ただし、実施回数や募集人員の設定が年度で異なるため、単純な経年比較には注意が要る。

論評:数字から読み取れる受験戦略上の示唆

以下は公表された数字に基づく見方であり、浜松市の採用方針を断定するものではない。

第一に、第1類で最終合格者数が採用予定を大きく上回っている点は、辞退者を見込んだ運用である可能性があると見られる。受験する側にとっては、倍率の数字が低く見えても、予定人員を基準にした「実質的な狭さ」とは別物だという点に留意が必要だろう。

第二に、第3類は年度によって合格者数が9人から5人へ大きく振れており、倍率が採用予定人員の設定や欠員状況に左右されやすい区分であるという指摘もできる。前年度の倍率だけを見て出願区分を決めるのはリスクがある。

第三に、受験倍率の高低だけで難易度を判断することは適切ではない。第3類は一次の通過率が約26%と低く、筆記段階で相応の水準が求められる試験設計であると考えられる。受験を検討する場合は、倍率に加えて、一次合格率・採用予定人員・最終合格者数をセットで確認することが有益だ。

まとめ

浜松市の令和7年度消防士試験は、第1類が2.7倍、第3類が8.4倍と、区分間で大きな差があった。差を生んだのは受験者数ではなく最終合格者数であり、令和5年度との比較でも合格者数の増減が倍率を左右している。区分選びの際は、倍率の見かけだけでなく、採用予定人員や合格者数の推移を併せて確認したい。