はじめに
どんなに素晴らしいシステム、それが社会システムや電子計計算機上のシステムであっても、そのシステムを使用する人が悪意のある人であり、悪用して被害者が発生した場合には、そのシステムは果たして尚素晴らしいシステムであると言えるだろうか。
例えば、給付金詐欺についてだ。感染症の蔓延により経営が苦しくなった事業者向けに給付金を支給するシステムが作られたが、悪用する人が発生し、巨額の予算が適切に使われることなく、悪意のある人が得をする結果となった。
確かに、給付金のシステムを作成するにあたって、悪意のある人を見抜くシステムを作るシステムを組み込むことができないことは無いが、悪意のあるすべての人を排除するシステムを組み込もうとすると、悪意の無い一部の人すらも排除することになってしまいます。悪意の無い人が途中から悪意のある人になったり、その逆もあるでしょう。単純に線引きすることは困難であり、不可能だと言えるでしょう。
消防職員委員会の歴史
消防職員委員会のシステムにつていも同様に言える部分があります。
そもそも、消防に労働3権が認められていないことについて、問題視したかつての職員や国会議員たちが、消防職員委員会というシステムを構築しました。
しかしながら、それらの大半は悪用され、実際の団体交渉権とは程遠い、お粗末な制度となりました。
つまり、初期の消防職員委員会は非常にお粗末なものであり、それどころか、一部の悪意のある職員(実際にはほぼ全ての事務局側にいる消防職員)が不適切に利益を享受し、時には不適切な出世をしたり、実際に賃金としての手当を受けとることも多々ありました。
初期の消防職員委員会のシステムでは、事務局側が「気に入らない職員を吊るし上げて、制裁を加える」こと、「事務局側の意思に従わない職員に不適切な処遇を強いり、病休や退職に追いやる」なんてことも可能でした。
これはかつての話であり、現在のシステムはそこまでガバではなく、ある程度の客観性や公平性は確保されている。ということはありません。今の消防職員委員会のシステムも何も変わっていません。
消防職員委員会の運営に関する留意事項
27.3%の消防本部においては、消防職員の話合い等によらず、委員の推薦が行われていた
裏を返すと、72.7%の消防本部では話し合い等により委員の推薦が行われていたとのことであるが、ここでいう話し合いとは、事実上輪番であり既に決まっている、2~3人で勝手に話し合いをしていて、その場に居ない人が委員として決定してる。などと言ったケースが大半です。
客観性や公平性などというものは存在しません。
この時点でシステム崩壊は始まっていますね。
システムの案や基準を示している総務省消防庁の職員も、大半が無能な地方消防士の寄せ集めなので、その穴には絶対に気が付きませんね。
13.5%の消防本部においては、意見取りまとめ者の半数以上が消防職員の推薦や立候補に基づく指名となっていなかった。
ここでも裏を返すと、86.5%の消防本部では意見とりまとめ者の半数以上が消防職員の推薦や立候補に基づく氏名となっていなかった。ということですね。
実際には、先に事務局が都合のいい職員を指名し、反対意見のみを集めるという手法が取られている場合も多くあります。
この方法であれば、事務局として都合のいい職員を指名することができる。さらに、指名に反対をする謀反職員を見つけることも出来るため、一石二鳥の素晴らしいシステムです。
悪意のある人の集合体である消防職員委員会の事務局は、自分の言いなりになる職員以外にはありとあらゆる手段を使って嫌がらせをしていくことになります。そして、これが容易に可能になるのです。
悪意のある人が運営している以上、容易に想像できそうなものですが、お花畑で蝶々と戯れながら育った世間知らずの人たちがシステム案を作ったのでしょうか?
3.3%の消防本部においては消防長、2.3%の消防本部においては意見取りまとめ者が審議対象に該当するかの判断を行っていた。
少々難しくなってきましたが、5.6%の消防本部において、提出された意見を無条件で却下していたという事実が記載されています。
実際にはもっと残酷です。
残りのすべてにおいて、事務局が審議対象にするかの判断を行っています。
つまり、事務局にとって都合の悪い意見は、審議対象外とするように委員会そのものの進行をコントロールしています。
委員などとして招集された全ての人は、良く躾けられた犬です。自覚がない場合もありますが、忠犬です。その場に選ばれている時点で、事務局から「反抗することのない躾けられた犬」と認識されているのですよ。
そういった人たちの集合体であるため、審議の議論のコントロールも容易です。事務局の顔色を伺い、すべて思い通りに議論が進み、結果的に事務局の思い通りに審議対象外事項を決定していきます。
44.8%の意見は、意見取りまとめ者を経由して匿名で委員会に提出された意見数であった。
消防職員委員会は消防の職場をよくするためのシステムではありません。
事務局などの一部の悪意のある職員が不当に利益を享受したり、彼らにとっての忠犬を発見するためのシステムになっています。
そのため、匿名性は一切確保されていません。
匿名性をうたう目的は別にあります。
匿名性をうたえば、委員会の開催にあたって、まっとうな意見を提出した人の委員会への出席を拒否することができるのです。
事務局が不当な利益を享受している状況に気が付いた一部の消防職員が、彼らの不正を止めされるために適切な意見(事務局にとって都合の悪い意見)を提出したとしましょう。
まず、こういった考え方の人は絶対に委員等に選出されることはありません。
そして、匿名性の担保という大義名分のもと、どんな内容であっても意見提出者が委員会で内容の説明をする場が与えられることはありません。代理人が説明します。
その代理人は忠犬であるため、意見の内容を事務局にとって都合のいいように歪曲させて、発表することとなります。
となれば、意見が審議対象外となるわけですね。
悪意のある集団にとってみれば容易なことです。
カモフラージュが存在する
消防職員委員会が適切に行われているということをアピールするために、超どうでもいい事案を審議して、事業化したりします。
多くの場合、既に決定している事業について、わざわざ意見提出させて、消防職員委員会により事業化したように装うのです。
そして、その意見を出した人も「実は既に事業化が決定している」ということ知らないし、その通知を受け取るひとも同様です。
今後の消防職員委員会
上記を読んでいただいた人の多くは、消防職員委員会が如何に無意味であるか分かったっかと思います。
そして悪意の根源は、事務局です。
事務局には、消防長以下総務系の職員が多く含まれています。そして、人事配置などの権限を持っている場合が大半です。
この原因は、消防職員委員会という悪名が原因です。
職員を人事と読み替えて、そういった部門の職員が事務局として携わっています。
悪意のある集団(人事総務系の職員)が消防職員委員会を運営し、この集団に忠誠を誓う頭の悪い犬の選別を委員会というシステムを使って行います。そして、人事異動に際して、忠犬を集めていくため、さらに頭が悪く、悪意のある人間が集まっていくわけです。
積極的に不正を働くことに罪悪感を感じない、自分が得をするのであれば人を欺くことは許されると考えている、信じている人が集まっていくわけです。
今後の消防職員委員会
システム上の不備と運営側の悪意が存在している以上、消防職員委員会など存在しないほうが、消防職員の職場が良くなることは間違いない事実です。
運営側の悪意という側面からみれば、、消防職員委員会の開催運営により利益を享受している悪人が消防組織内に存在している以上、定期的に餌を撒きながら、その蜜を吸い続けるのは間違いないでしょう。
システム上の不備という点において言えば救済の余地は少なからずあります。
しかしながら、システムを作っている人そのものに悪意が組み込まれてしまっている以上、このシステムを改修することのできる人は存在しないといって過言ではないでしょう。
消防職員としてやるべきとことは何なのでしょうか?
人を騙して利益を享受しているという点において、適切と言えるのでしょうか。