ニュース概要
奈良県広域消防組合で、職員による相次ぐ不祥事が発覚しました。
いずれも刑事事件として警察が捜査を進めており、組合は懲戒処分を下しています。
まず、総務部施設管理課に所属する20代男性職員は、2024年5月13日午前3時ごろ、当時勤務していた西和消防署で男性立ち入り禁止の女性専用スペースに無断侵入しました。
女性職員が所属長に報告したことで事件が発覚し、停職1カ月の懲戒処分となっています。
さらに、人事部付の別の20代男性職員は、警防部救急課に所属していた5月31日午前4時ごろ、出張先の広島市内のホテルで派遣型風俗店の女性を盗撮しました。
この職員は停職6カ月の懲戒処分を受け、同日付で依願退職しています。
奈良県広域消防組合の消防長は
【これらの不祥事は信頼を著しく損なう行為であり、深くお詫び申し上げます】
とコメントしていますが、その言葉が市民にどれほど響くのかは疑問です。
性犯罪者が市民情報を握る危険性
消防本部は災害対応のために、市民の住所・家族構成・既往歴・勤務先・場合によっては収入情報まで把握できるシステムを持っています。
マイナンバーカード情報や、指令システムを通じた詳細照会も可能です。
今回のような女性専用スペースへの侵入者や盗撮犯が、その情報にアクセスできる立場にあったという事実は、極めて恐ろしい現実です。
倫理観が欠如した者が、興味本位や私的目的で市民の個人情報を閲覧・悪用する危険性は、想像以上に高いと言わざるを得ません。
情報漏洩はすでに起きているのかもしれない
「オレオレ詐欺集団に名簿を売る消防職員」が現れる未来は、決して遠くありません。
いや、むしろすでに名簿が売られている可能性、あるいは消防職員を性犯罪者とするのであれば、犯罪者に既に渡っている可能性すらあると考えるほうが現実的です。
個人情報は、詐欺やストーキング、強盗計画など、犯罪に直結する価値の高い資源です。
消防職員が持つ権限が、内部の人間によって外部に流れれば、市民は日常生活の中で知らぬ間に危険にさらされることになります。
結論
今回の奈良県広域消防組合の連続不祥事は、消防組織が性犯罪者の温床になっている現実を突きつけました。
そして何より、市民の安全を守るはずの組織が、逆に市民のプライバシーと安全を脅かす存在になり得ることを示しています。
消防職員が持つ情報アクセス権限は、厳格な管理と監視がなければ凶器にも等しい。
この事実を、市民はもっと直視すべきです。