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【多い?少ない?】消防士の休み事情【夜勤明け?】

 この記事では、消防士の勤務形態を紹介します。消防士の中には、事務を担当している職員が約1割、現場で消火救急活動をしている職員が9割といった感じです。

 ここでは、9割の現場職員について紹介します。

 こんな感じの疑問を軸にして紹介したいと思います。

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勤務サイクルと休みの状況 

 消防の勤務サイクルには、2交替制と3交替制があります。それぞれの参考は下記のとおりとなります。

2交替制3交替制
拘束時間8:30~翌8:308:30~翌8:30
※8:30~17:30
1出勤当たりの勤務時間16時間16時間
※8時間
1出勤あたりの休憩(睡眠)時間8時間8時間
※1時間
勤務サイクルの単位2週間3週間
出勤日数(通勤回数)2週間あたり5日3週間あたり8日
うち1日は※の勤務時間
6週間の勤務時間16時間✖5日✖3サイクル
=240時間
16時間✖7日✖2サイクル+
8時間✖1日✖2サイクル
=240時間
勤務人員固定メンバーではない固定メンバー

 上記のとおり、拘束時間は2交替制でも3交替制でも同じで、24時間となっています。

2交替制のパターン例は下記のとおりです。

1 2 3 4 5 6 7
勤務 当番 非番 当番 非番 休み 休み 当番
8 9 10 11 12 13 14
勤務 非番 当番 非番 当番 非番 休み 休み

 この表はよく見ると思います。時間についてのイメージが湧きずらいので時間単位で見てみましょう。4日から10日までの状況は下記のとおりです。

時間 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
4 非番
5 休み
6 休み
7 当番
8 非番
9 当番
10 非番

 

 どうでしょうか?思ったよりも□(休み)が多いと思いませんか?

 非番は8時過ぎには勤務を終えるうえ、うまくいけば6時間以上の睡眠をとった状態となります。

 どうしてこんな状態になるのか。

消防独自の特殊(変?)な勤務形態

 世間一般的に言えば、2交替制や3交替制勤務とは、看護師さんの夜勤のイメージで、日勤・遅日勤・夜勤のように24時間を3つの時間帯に分けて勤務を割り振る勤務形態の事を指します。

 例えば下記のようなものです。

 病院の看護師等がこういった勤務形態であるのには、経営上の合理的な理由があります。このような勤務形態の場合でも、労働基準法に基づいて、一カ月当たりの勤務時間などは厳しく管理されています。

 一方消防の勤務形態は24時間単位で全人員が入れ替わります。これは2交替でも3交替でも同じです。24時間単位で入れ替わりなので、24時間常に同じ人数が消防署で待機しています。

 この24時間で全員交替というシステムは、自治体消防制度が発足して以来ずっと続いているようで、戦後にアメリカの消防制度をそのまま適用したらしいです。

 

 戦後久しく、住宅の防火性能が向上し、火を使う設備の安全装置も開発が進み、火災件数は著しく減少しています。逆に救急件数は増加傾向にあるものの、火災も救急も早朝から夕食時にかけて多く、夜間・深夜帯の発生件数は少なくなります。

 このような状況にも関わらず、同じ人数が勤務しているということは、裏を返せば、夜は暇であることが多いということです。

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勤務中(24時間)の過ごし方

 忙しい時期とそうでない時期があったり、訓練や調査好きで、必須ではない業務を積極的に行っている消防署とそうでない消防署があります。

 今回は、平均よりも少しだけ暇な消防士の24時間(出勤から退勤まで)を紹介したいと思います。

※1 訓練の計画・準備は早ければ30分程度で終わります。毎年新人消防士が入ってくるので、基本的には年単位で同じ訓練を回しているためです。早く終われば、残りの時間は自由ですね。個人で出来る訓練をやる場合もあれば、学習に充てる場合もあるでしょう。

※2 ※1と同様で、早ければ30分程度で終わり、残りの時間は自由ですね。時間的にも住人などが訪ねてくることもないため、Tシャツにサンダルで過ごす場合も多いですし、携帯でずーと映画とかyoutube見ていてる人もいます。もちろん、昼間の訓練や過去の訓練の動画を見て勉強している人や、ウエイトトレーニングに励む人もいますので安心してください。

 火災が発生した場合には1時間から3時間程度の活動となりますが、家が1軒以上燃えるような火災は、月に1件程度でしょうか。もちろん地域差はあり、月に3~4件ほど対応する人もいます。そして、救急事案では1件当たり40分から1時間半程度が一般的で、1日出勤すると4~5件程度対応することになるでしょう。都市部等で忙しい場合には10件を超える場合も多くあります。

 文字を埋めると、出勤している間中、忙しいイメージがあるかもしれませんが、基本的には暇です。

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休みの希望について

 2交替制と3交替制で休み希望の通りやすさ、突発的な休みの取りやすさで大きな違いがあります。

 結論として、2交替制の方が休みが取りやすいです。

 2交替は固定メンバーではないのに対して、3交替では固定メンバーであることが休みの取りやすさの違いになります。

 少々難しいので、ゆっくり噛みしめながら読んでください。

 まずは3交替の勤務パターンを紹介します。

1 2 3 4 5 6 7
勤務 当番 非番 休み 当番 非番 休み 当番
8 9 10 11 12 13 14
勤務 非番 休み 当番 非番 休み 当番 非番
15 16 17 18 19 20 21
勤務 休み 当番 非番 日勤 当番 非番 休み

 先に紹介した2交替制の勤務パターンと合わせてご確認ください。

 2交替でも3交替でも6週間あたりの勤務時間は同じ240時間です。

 3交替制の休みの日には別の班が勤務していることは容易に想像できると思います。

 2交替制の勤務パターンの5日6日と13日14日を見てください、この休みの日に消防署で勤務しているのは誰でしょうか?

 2交替制では2つの班が交替で勤務、3交替制では3つの班が交替で勤務しており、2交替制は自分の班が勤務している日でも休みがあるのに対して、3交替制では自分の班が勤務している日に休みはありません。

 消防の交替制勤務のルールにおいて、班を跨いでの休み移動は認められていない状況です。そのため、2交替であれば、同じ班の他の職員と休みを交換することが可能であるのに対して、3交替では、同じ班の人は同じ休みなので、休みを交換することが出来ないのです。

 いうまでもありませんが、最低限の余剰人員は配置されており、有給休暇は適切に取得できる程度にはなっていますが、同時に多くの人数が休みを取ることは出来ません。

 こういった理由から、3交替よりも2交替の方が休みを取りやすい状態になるのです。

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休みの日の過ごし方

 ここまで読んでいただいた方は分かると思いますが、2交替であれば、4週間(28日)のうち、当番日が10日、非番日が10日、休みが8日あります。休みの日は自由に過ごせるのは当然ですが、非番日の10日についても、たっぷり6時間程度睡眠を取った状態で、朝8時過ぎには職場から解放されるため、実質18日間は「日中自由に過ごすことができる日」となります。

 ここまで自由時間が多いと、休みの日の過ごし方の可能性は無限大です。

 ジムに通うなどして、体力向上に励む人も居れば、釣りやゴルフ、パチンコ、スロット、公営ギャンブル、風俗、出会い系に勤しんでいる人も多いです。

 あなたはどんな休みの日を過ごしていますか?ご意見お待ちしております。

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