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【珍政策】相模原市消防局が女子大に防火服デザイン制作を打診【どういう思考回路?】

 相模女子大(相模原市南区)の学生が市消防局や市防災協会と連携し、消防士が身に着ける防火衣が「SNS映え」するよう、デザイン制作に取り組んでいる。11月の防災週間に合わせて開催するイベントで実物を披露し、写真を撮ってもらうことで情報を拡散し、若い世代の防災意識を高める狙い。
 市消防局はこれまで防災意識を高めるイベントなどを開催してきたが、家族連れや高齢者が多く、10~20代の参加者は少なかった。消防士は「男性の仕事」というイメージがあり、今年3年ぶりにイベントを開催するに当たり「若者、特に女性の関心を引きつける仕掛けをしたい」と昨年11月、同大学芸学部の角田千枝教授に防火衣のデザイン制作を打診した。
 角田教授のゼミに所属する1~3年の学生6人が、消防の仕事に密着するなど業務内容を知った上で、子ども、女性、男女兼用の計8着のデザインを考えた。命を守る消防の仕事からへその緒を連想して描いたものや、着ていて涼しく感じられるよう「水」をイメージしたもの-。角田教授は「学生たちは活動の中で感じた仕事のイメージを反映させた」と解説する。

引用元:Yahoo!ニュース

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事業の目的

 消防局がこの事業を通して達成したい目的は、「消防の防災イベントの際に若者、特に女性の関心を引き付ける仕掛けをしたい」ではありません。これはあくまでも手段であったり、目標達成のための通過点の一つに位置付けているに過ぎません。

 本当の目的は、若い世代の防災意識を高めることです

 つまり、相模原市消防局としては、若い世代の防災意識が低いことに関して問題意識をもっているということになるのでしょう。

 果たして、そんなデータがあるのでしょうか?

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目的の検証

 「若い世代の防災意識が低いこと」について検証・推論していきましょう。

 まず思いつくのが、若い世代の消防団加入率が低いことです。

 確かに、全国中で消防団員の高齢化が進み問題になっています。

 これに対して各消防本部や総務省消防庁が具体的に打ち出しているのは、装備品の増強整備や報酬の増額です。若い世代を積極的に加入させるという意思は感じますが、具体性を欠いていますね。

 つまり、若い世代の消防団加入率が低いことと若い世代の防災意識が低いことに関しての相関性については、否定こそしないものの、重要視する程の部分ではないという認識に見えますね。

 次に思いつくのは、防災訓練に参加する人の高齢化についてですね。

 確かに、市や自治体が実施する防災訓練を覗くと、若い世代の割合は高くありません。

 防災意識の高い人が防災訓練に参加している。参加していない人は防災意識が低いという認識をしているのでしょうか。相模原市消防局のいうところの、SNS映えを狙うことからも、若い世代の参加割合を上げたいと考えていることが伺えるため、そう考えて相違ないでしょう。

 さらに言うと、防災訓練に参加してSNS映えする写真を撮るだけで、防災意識が上がると考えているようですね。

 もはや、思考回路はショート寸前ですね。

 せめてそのきっかけにでもなればという藁にもすがる思いでの施策なのでしょうか?

 

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大学生にとっての意味

 次に、デザインをした大学生の立場で考えてみましょう。

 今回デザインした防火服については、当日までに現物を完成させて展示をする計画のようです。

 実際に消防士が火災現場で使用する防火服については、高い安全性能が求められており、生地から裏地、透湿防水層、縫い糸、完成品などに至るまで、様々なテストに合格した者でなければなりません。

 こういったことを考えると、今回デザインした防火服については、実現可能性が限りなくゼロに近いものと言えるでしょう。

 例えば、オリンピックの入場で着用する公式ジャージやフォーマルな衣装については、選ばれるというハードルを度外視すれば、法規制は少ないため、程度実現可能性は十分にあるものと思います。

 しかしながら、高い安全性能を求められる装備品については、実現可能性が非常に低いです。

 大切な学生時代に、こんな無駄なことをさせてどう考えているのでしょうか?

 「わたしのデザインした防火服を着て消防士が活動する姿を見てみたい」なんてことは叶わないのです。。

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費用対効果について

 少なくとも防火服をデザインしているのですから、綿やポリエステル、ウールなどの繊維を使った生地で作ってしまうとあまりに安っぽく見えてしまうので、防火服に使用している耐切創繊維などを使用することになるでしょう。

 裏地や透湿防水層、縫い糸までこだわることは無いでしょうが、最低限素人を騙せる程度の見た目にはこだわると思います。

 するとどうでしょうか?

 今回のこのプロジェクトに布代だけでいくらかかるのでしょうか?

 8着ものデザインを完成させるとなれば、少なくとも数十万円分の費用がかかることが予想できます。

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まとめ

 数十万円使用して、若い世代の防災意識を高める方法として最良であったのが、女子大生に対して防火服のデザインをさせることだと考えたのが、この消防本部ってことですね

 違うのであれば、他の方法を検討したはずですからね。

 万策尽きて女子大生ってことですかね。

 

 

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