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面接官から聞いた地元以外の消防本部を受験するときのポイント

 筆者は、10年を超える消防士としてのキャリアがあり、その多く期間を人事等の業務を担当していました。元消防士を語る人は世の中に多数いますが、そのほぼ全ての人は、現場の消防士を数年で辞めた人たちです。私のように、人事などの消防の基幹事務を経験している元消防士は殆どいません。
 その点から、他の消防士採用試験突破方法を語る記事とは一線を画すと思っています。
 随時個別相談も受け付けていますので、良質な情報をキャッチし、消防士採用試験合格を目指してください。

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結論

 ポイントを押さえれば地元以外の消防本部を受験していても不利になることはありません。むしろ加点される可能性もあります。

 合格すれば蹴らないという意思表示と、数年後に地元に戻る可能性が高いと悪い印象となるため、退職まで辞めないビジョンを伝えることが出来れば全く問題ない。

 面接においても質問が想定されるため対策を立てやすく、他の受験生より優位に立てる。

ざっとこんな感じです。詳細について説明していきます。

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縁も所縁もない土地からの受験は不利?

 受験生の多くは地元や近隣市町村が出身地であり、地元で働きたいとか、将来的なことを考えて不必要に親の元を離れるのは不安であると考えている。

 次に多いのが、下宿で大学に通っており、地元には戻らずに大学の所在地の消防本部の採用試験を受ける人です。地元を離れて下宿してみたところ、思いのほか住みやすく、その地にとどまることを決意したタイプですね。

 基本的にその土地に所縁のある人がほとんどです。

 ではその土地に縁も所縁ない人の受験生は不利なのか?ってことです。

 結論、不利なことは一切ありません。むしろ有利と言えるでしょう。

 消防士の採用試験は、同規模の自治体では試験日が同じであることが多いです。これがポイントなんです。

 例えば、地方の小規模自治体出身者が、政令指定都市の消防本部を受験することと決意した場合で、政令指定都市は全国に20程ありますので、そのどの都市を受けるのかって話になりますよね。

 そこで20ある政令指定都市から一つを選ぶという作業が発生するんです。その受験生にとっては、数ある政令指定都市のなかで、今回受験している都市が最も優れていると考えられたため受験していると伝えることが出来るんです。

 その点、政令指定都市出身者やその近隣都市の出身者では、その「政令指定都市の比較と選択」という行為が発生しないため、面接でのアピールポイントが減少しているのが分かりますよね。

 具体例を示すと、「富山県富山市出身の学生が仙台市の消防本部を受験する」といった感じです。

 まず、面接において必ず聞かれるのが、「なぜ仙台市を受験しようと思ったのですか?」という質問です。

 「消防士という職業になりたいと決意をしてから、色々と調べていく中で、地元消防や隣接県の新潟市消防本部や首都圏の消防本部も検討しました。そんななかで、仙台市消防局は〇〇という特徴があり、自分自身の●●という長所を活かせると思ったからです。」とか言っておけば、オーケーです。

 担当した面接官としては、「この受験生にとっては多数ある消防本部の中で、我々の消防本部のポイントを十分に理解してくれている。地元出身の受験生よりも愛社精神が高いと言えるかもしれない」と思ってくれるかもしれません。

 このように、地元から遠く離れた都市の受験では、優位性をアピールできるとともに、面接で聞かれることも予め分かっているため対策が容易です。

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面接官は短期での離職を恐れている

 新卒で採用した人が短期で離職してしまうという事象は、民間企業に限ったことではなく、消防においても問題となっています。ただ、まだまだ離職率は低く、大きな問題にはなっていませんが、これから問題が大きくなることが懸念されています。

 また、消防という特殊性から、防火服や安全靴、手袋、制服などの準備や、消防学校に入校する必要があり、それらに多額の費用が発生します。支払う給料よりも多くの費用が発生するタイミングも何度かあります。

 短期間でやめられてしまうと、身体にフィットするようにく採寸して作った防火服や靴、制服が無駄になってしまいます。

 消防学校での教育に要した時間もそのための費用もすべて無駄になってしまいます。

 最低でも10年は辞められたくないのが希望です。

 地元以外の地方出身者は、結婚や親の介護、不幸などの様々な家庭的な事情により、帰省することを余儀なくされ、退職せざるを得ない状態となってしまうことは珍しくありません。

 せっかく採用しても10年以内に辞めてしまう可能性が高いのであれば、他の受験生に合格通知を送ることとなるでしょう。

 実際にどうなるかは別として、面接の時点では、辞めるつもりはないとか、介護に関しても兄弟が複数いるため、相談になると思うとか言っておけば大丈夫でしょう。

 個人情報保護の観点から、不必要なパーソナルな部分についての質問は制限されているため、聞かれない可能性すらありますが、回りくどく聞いてくる可能性もあります。

 不安であれば、別の質問を回答する際に、定年退職まで務める意思があることをアピールしておくことも出来ますね。

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終わりに

公務員という職業の人気は一時期に比べると下火になっていますが、まだまだ人気のある職業です。

 紹介したとおり、地元以外の消防本部受験では、面接試験において大きなアドバンテージを得ることが出来ます。

 筆記試験は合格最低点を狙っており、筆記試験でのアドバンテージを貰える期待が無いなど、学力的に不安のある人は、面接試験での加点を狙って、ぜひ地元以外の消防本部受験を検討してみてください。

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