日勤救急隊の発足とその背景
大和市消防本部は、2025年4月1日に「日勤救急隊」を創設し、4月4日に発足式を行いました。この新設部隊は、午前8時30分から午後5時15分までの間、救急需要が特に高まる時間帯に対応することを目的としています。近年、高齢者の増加に伴い、救急出動件数は過去最多を更新し続けており、特に午前8時から午後6時までの間に集中しています。
交代制勤務の非効率性と日勤救急隊の矛盾
現在、多くの消防組織では24時間勤務の交代制が採用されています。しかし、救急出動が日中に集中している現状を考慮すると、24時間勤務体制は非効率的であると言わざるを得ません。日勤救急隊の導入は、まさにこの非効率性を自ら認める形となっています。もし日中の救急需要が高いのであれば、全体の勤務体制を見直し、シフト制を採用することで、より効率的な人員配置が可能になるはずです。
人員増加と勤務体制の再考の必要性
大和市は救急体制の充実・強化を図るため、消防職員の増員を計画しています。 しかし、単に人員を増やすだけでは根本的な解決にはなりません。現行の勤務体制自体が非効率である以上、人員増加は一時的な対処療法に過ぎず、持続可能な解決策とは言えません。組織全体の勤務体制を再考し、シフト制への移行など、効率的な人員配置を検討すべきです。
日勤救急隊の導入が示す組織の硬直性
日勤救急隊の導入は、一見すると柔軟な対応のように見えますが、実際には組織の硬直性を示しています。救急需要の変化に対応するためには、部分的な対策ではなく、全体の勤務体制を見直す必要があります。しかし、現実には従来の交代制勤務を維持しつつ、日勤救急隊を追加するという中途半端な対応にとどまっています。このような組織の硬直性が、効率的な運営を妨げていると言わざるを得ません。
以上の点から、日勤救急隊の導入は、消防組織の非効率的な勤務体制と、それを改善しようとしない組織の硬直性を浮き彫りにしています。救急需要の現状に即した、柔軟で効率的な勤務体制への移行が強く求められています。