本来の意味で言えば、職業病とは労働関連法等により定められている、特定の職業に就くことにより発生する傷病などのことを言います。
例えば、日常的に放射線にさらされる業務に従事する人に発生する放射線由来の傷害等が該当します。
俗に使われている職業病の意味においては、日常の面白行動の意味で使われることも多くあります。
- 保育士が恋人とデート中に「おトイレ」とか「お洋服」とか幼児語を使ってしまう。
- 看護師が電車に乗っているときに、採血しやすそうな腕を探してしまう。
- 建築や内装系の職人が、ついつい長さの単位をmmで言ってしまう。
- デザイナーが看板を見ると使用されているフォントが気になって調べてしまう。
- 探偵は休日も長時間の張り込みがし易そうな場所を探してしまう。
- 警察は会話の口調や内容がついつい取り調べみたいになってしまう。
書き出したらキリがないですが、他の職業で言うとことの面白職業病はこんな感じになっています。
それでは早速消防士の職業病を紹介しましょう。共感度低めのものも書いてありますが、優しい目でご覧ください。
消防士の職業病
ヘルメットではげる
消防士は屋内にいる時以外は常に帽子かヘルメットを被っています。消防学校では、【屋外では常に上部から何かが落ちてくる危険がある!絶対に帽子は脱ぐな!】と指導されました。布の帽子で何が守れるのか?と疑問がありましたが、話が通じる相手ではないので、何も考えずに従うのが社会人ってやつです。
そういった理由で四六時中帽子やヘルメットを被っているため、頭頂部が汗で蒸れてしまい、毛根が死んでいってしまったことが薄毛の原因であり、他業界と比較し薄毛が多いのが消防士です。
薄毛当事者たちも、これは長年ヘルメットを被って訓練をしてきた結果だと言っていました。
プライベートでも帽子が脱げない
仕事中にずっと帽子を被っていると、プライベートで屋外に出る時にも帽子を被っていないと不安になってしまう精神状態の人が多くいます。
薄毛隠しのために被っている人も多くいますが、精神的な状態からプライべーどでもキャップ等を被り続ける人が多く存在します。
ドライブ中の後方確認
緊急走行中の消防車両は通常の車両の何十倍も高い安全運転が求められます。
そのため、運転者以外の乗車している消防士全員で危険を察知して、後方確認や巻き込み確認、交差点での左右確認を実施しています。
もちろん、確認の結果危険があるのであれば、運転手に聞こえるように【左後方自転車接近中!】とか【左後輪縁石注意!あと30センチ!】とか【右後方よし!(安全の意味)】といった声を出しながら乗車しています。
こういったことを日常的にやっていると、プライベートでの運転中や助手席乗車中であっても【左後方よし!】とか【自転車接近中!】とか声出しちゃいます。
だいたいプライベートでも消防士と一緒に遊ぶことが多いのであまり気になりませんが、久しぶりに学生時代の友人や家族と出かけた際に、恥ずかしい思いをすることがあるかもしれん線。
ちょっとしたところで筋トレしちゃう
高鉄棒などちょっとぶら下がれそうな場所を見つけると懸垂を始めてみたり、腕立て伏せ始めたりします。買い物の帰りは無駄に買い物袋を上下させたり。電車に乗っているときも無駄につま先立ちしてみたりしています。
日常的に仕事で筋トレをしていると、徐々に筋力が増えていくのが嬉しくなって、無意識に筋トレを始めてしまいます。まさに精神的な職業病と言えるでしょう。
胸を張って歩いてしまう
筋トレが進んでいくと、胸の筋肉と上腕二頭筋が発達してきます。すると、他人にその筋肉を自慢したくなってきて、よりアピールできる姿勢で歩き始めます。
胸を張り、肩を開きながら歩く姿勢がカッコいいと勘違いしてしまう状況ですね。考え方としてはゴリラ的な感じですね。
自家用車で逆ハンドルきりがち
免許の区分上、消防車は準中型、中型、大型などが主流です。多いのは中型と大型の消防車ですね。はしご車なんかはほぼ全て大型車ですね。
火災現場が大通り沿いにあるとは限らず細い路地で火災が発生する場合も多くあり、大型車が本来入っていかないような細い路地であっても大型の消防車は入っていく必要があります。その際に使われる運転テクニックが逆ハンドルです。
逆ハンドルとは、左折時に先にハンドルを右に切ることにより反対車線に大きくはみ出してから左にハンドルを切って進入角度を調整し、内輪差による巻き込みを防止するための動作となります。
大型車では内輪差も大きく、逆ハンドルを切らないと曲がれない道は多数存在します。
プライベートで小型の自家用車を運転中でも、必要もないのに無意識に逆ハンドルを切り反対車線にはみ出して左折していくことが多々あります。反対車線の車の状況を確認しないで逆ハンドルを切る人も多いため、非常に危険な運転操作であり今すぐ辞めた方がいいと思いますが、消防士の職業病のひとつです。
人前でズボンをぬぎがち
消防士は制服や消防服・救助服・救急服などの着こなしについて非常に厳しく指導されます。
特に上衣(いわゆる襟付きのワイシャツみたいなもの)にしわがあることを異常に気にします。ズボンにインする際に必ずしわが発生してしまいますが、それらのしわは左右の縫い目を折りたたむことにより、正面・背面からはしわが一切見えない状態になることが求められます。
立ったり座ったりの動作をすると、上衣のしわの乱れが必ず発生します。しわが発生している状態で救助服などを着ている状態は恥であり、無礼な行動であると教育されています。
発生したしわを直すために、公衆の面前でベルトを外しズボンのボタンを外しファスナーを開けて上衣のしわを直します。
世間から見ればただの変体オジサンですが、消防士にとっては、ファスナーを降ろすことよりもしわがあることの方が恥なのです。この精神状態は完全に職業病ですね。いわば洗脳です。
工事中の建物の近くを通る際は上部が気になってキョロキョロする
先の帽子やヘルメット禿げの件と近いところがありますが、消防士は多数の事故現場を見てきたという経験から、事故の原因や発生状況についての知識が豊富です。
そういった経験から、危険な状況が多数潜んでいる工事現場などの近くを通る際には、自分自身もそういった事故に巻き込まれるかもしれないと思うようになり、落下物などが非常に気になるようになります。
外出先で非常口や避難経路を確認してしまう
行き慣れたショッピングセンターや、初めて泊まる旅館であっても非常口や避難経路、避難器具の場所を確認しています。
法令に従って点検を実施していないような避難器具がある場合もありますが、その場で指導することはありませんが、【この器具は使えそうにないから、別の経路から避難しよう】とか考えています。
消防士としてのレベルが上がっていくと、他のお客さんの状況も確認して、【どうやって避難誘導して全員を助けるか】なんてことも想像しながら非常口などを確認しています。
建物内でも東西南北を意識する
消防士にとって方向感覚は非常に重要な能力となります。
無線などで送られてくる指示は、【建物の北側から放水しろ】とか【建物西側に集合しろ】といったように東西南北が含まれる場合が非常に多いです。現場において自分の場所を俯瞰的に認識して、東西南北を常に認識していることが重要です。
屋外にいる時には方向感覚を意識することはさほど難しいことではありませんが、建物内で方向感覚を維持し続けるのは非常に難しいことっです。
らせん上のスロープで立体駐車場の上階に上がっていき、エレベーターに乗って売り場に向かうとなると、長時間屋外が見えなくなり、方向感覚を失ってしまうこととなります。
消防士たるもの建物内でも方向感覚を維持しているものである!と思っているため、常に東西南北を意識しています。
細い路地を歩いているときに、消防車の進入経路やホース延長の経路をイメージする
細い路地を歩いている際に、消防車両が進入できるかどうかや、ストレッチャーが通れるか、ホースカーが通れるかなど、様々な条件で道路状況を確認しています。
道の状況だけでなく、密接した住宅を見ると火災発生時の延焼拡大を想像して、火災防御のシミュレーションをしてしまうのが非番の消防士あるあるです。
電車・バス乗車中に、交通事故が発生した場合のシミュレーションをしてしまう
消防士が一番興奮するのは、混乱した現場で冷静に状況判断をして指示を出し、多くの人を救う状況です。
電車やバス乗車中に事故が発生すると、多数の怪我人が発生することとなりその場で冷静でいることができれば、まさに大興奮状況になります。
そのため、常にシミュレーションをしながら公共交通機関を利用しています。
あの人が刃物をもって暴れ出したらどうしようとか、発生確率が非常に低いことであってもイメージしちゃっています。
平日のショッピングモールで短髪の人を見ると同業者か?と思う
消防士といえば平日休みです。がタイの良い
平日の昼間から家族や恋人を連れてショッピングモールに来ている短髪でガタイの良い人を見かけると、消防の同業者か自衛隊関係者かな?とか想像します。
消防士あるあるのひとつですね。
旅館に宿泊した帰りに、布団を綺麗にたたむ
消防士は消防学校時代に規律正しく厳しい寮生活を経験しています。
寮室の整理整頓や生活習慣にについて厳しく指導され、その中に布団の収納方法についても厳しい指導があります。
布団の畳み方は全寮室統一を目的として厳しくルールが決まっています。畳んで重ねた際に角がズレていると、教官から呼び出されて罰則が与えられる場合もありました。
そういった経験を半年間をとおしてしているため、旅館などに宿泊した際にも無意識のうちに布団を綺麗にたたんでしまいます。
地図の目標物がパチンコ店
消防士は非番や休日にパチンコに出かける人が多い上に、そういった人が発言力を持っている場合が多くあります。
そのため、消防署から数台の消防車両で現場に向かうルート選定の際に、目印はパチンコ屋であることが非常に多くあります。
【パチンコ店●●の交差点を左折ね!】とか【パチンコ●●の次の信号を右折ね!】とかいうような声が飛び交うことになります。
一般人であれば、交差点の名称であったり通りの名称、コンビニやファミレスが目印になることが多いと思います。
すべてのパチンコ屋は目印になると思え!と言われたこともあります。