映像通報システム「Live119」導入に潜む問題点

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1. システム導入の背景と概要

明石市消防局は、2025年4月1日より映像通報システム「Live119」の運用を開始しました。​このシステムは、スマートフォンからの119番通報時に、通報者が現場の映像をリアルタイムで指令センターに送信することで、災害発生場所の早期特定や救急要請に伴う傷病者のより効果的な救命処置につなげることを目的としています。

システムの運用にあたっては、通報者にショートメッセージ(SMS)でURLを送信し、ウェブブラウザを通じて映像を共有する仕組みが採用されています。​これにより、通報者はアプリのダウンロードなしで映像を送信できるとされています。

2. 導入過程の透明性と検証の問題

このような新システムの導入に際しては、通常、事前に導入実証や試行運用が行われ、効果検証をされたのちに本格導入となることが一般的です。​しかし、これらの実証や試行は、導入を前提としたものであり、的確な検証がなされているとは言い難い状況です。​

また、システム業者との癒着や、消防組織内での個人の評価を目的とした導入も疑われるケースが多く、消防組織には市民の生命・身体を守るという意識が希薄になっているとの指摘もあります。​

3. 費用対効果と市民への影響

「Live119」の導入には、システムの開発・運用・保守にかかる費用が発生します。​これらの費用はすべて税金から賄われており、その費用対効果については明確な説明がなされていません。​

さらに、映像送信にかかる通信料は通報者の負担となるため、緊急時に市民が追加の費用負担を強いられることになります。​このような負担が、市民の通報意欲を削ぐ可能性も否定できません。

4. プライバシーと安全性の懸念

映像通報システムの運用により、通報者や被災者のプライバシーが侵害されるリスクも存在します。​特に、映像が録画・保存される場合、その管理体制や情報漏洩のリスクについての懸念が指摘されています。

また、通報者が現場の映像を撮影する際、自身の安全が確保されていない状況での撮影が求められる可能性もあり、二次災害のリスクも考慮する必要があります