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【士長司令補】消防の昇任試験における論文対策【最終版】

 前提条件として、論文試験の出題・採点をすべて業務委託している場合のみ下記の対策方法が有効なものとなります。
 消防本部内部にて問題の設定から採点まで実施している場合には、様々な事情により下記対策のほとんどすべてが役に立ちません。
 まずは、業務委託か否かを確認のうえ試験対策を開始することをオススメします。

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出題テーマは主に2つ

職務上の役割について

消防行政にかかる政策について

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出題(記述)方法は主に4つ

シンプルなテーマ付与による出題形式

例示に対する考えを記述させる形式

消防に関連する社会課題ににいて記述させる形式

自ら課題を設定させる形式

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大幅な減点要因となる間違い

問題の意味を十分に理解していない

 意外かもしれませんが、問題の意味を理解できていないケースが非常に多いです。記述方法が正しく、論法や内容的な問題が無かったとしても、大きな減点がなされるため点数は非常に低くなります。

誤答例
問題【消防団員の成り手不足により、組織の機能維持や大規模災害時の防災についての課題が浮き彫りになっています。【表やグラフ、新聞記事等の掲載】これらの記事から読み取れる事実を示し、自らの考えを述べよ。】
解答【~~~~~消防団の成りて不足に関する問題については、報酬の直接支給に関する問題や報酬の私的流用などの問題が複雑に関係しているものと考えています。~~~~~】

 ここまで分かりやすく誤答をすれば分かるかと思いますが、この問では、組織の機能維持と大規模災害時の防災について論じる必要があるのにも関わらす、報酬の問題について言及してしまっています。

 明らかに問題文を理解できておらず、最悪の場合100点満点中50点の減点もあり得る間違いとなります。

 消防士長試験であれば、副士長や司令補との違いにを明確にして論じる必要がありますので、自分の受ける試験に応じて、その職責がどんなものであるかをしっかりと学習してください。
 一般的な内容ではなく、組織に置いて内部基準が定められており、階級や職務名別に求められている役割などが詳細に記述されているはずです。

著しく具体性を欠いている

 これも非常に多い間違いとなります。具体的の意味そのものを理解できていないのか、誤答者に対して改善を促したところで、理解されないことも多いです。

誤答例
問題【消防士長に対して組織が求める人物像について述べよ】
解答【~~~~組織に求められている消防士長とは、組織の内外に関わらず消防士として頼りにされる存在であると考えます~~~~~】

 論点として【頼りにされる】では具体性に乏しく、弱いですね。

 【●●をすることができる】とか【●●に関する知識や経験が豊富である】というように記載する必要があります。

自分の意見を書きすぎている

 論文試験は、自分の意見を発表する場ではありません。

 問題文に合わせた形式で、ルールを守って記載するのが論文試験です。

 個人的な意見を記載するのは構いませんが、あまりにも【考え】の部分の記述が多く、【背景】や【根拠となる事実】に関する記述が不足すると、非常に稚拙な文章に見えてしまいます。

極端な考え方は大きな減点となる

 消防に限らず、公務員という職場の特性・公共性から、極端な施策を打つことはできません。

 【不要不急の救急車利用について考えを述べよ】という問いに対して、【軽症者や不急な利用であったものからは料金を徴収するべきである】とか【一度でも不要不急の救急車を利用した人はリスト化して、次回以降の優先順位をさげるとか、税金の負担を増やすといった取り組みが必要だと考える】と述べてしまうのは、行き過ぎであり減点となります。

 論文試験で外部に採点を委託している場合では、提示した解決案や施策案が行き過ぎたものなのか判断できない場合もあるため、この点で減点される割合は少なくなりますが、大幅な減点の可能性があることは十分に理解しておく必要があるでしょう。

論理構成に秩序がない場合

 後述しますが、論文を読みやすくするためには、流れるような論理構成が必要となります。

 書きたいことを思いついた順番に記載しているような論文については、論理構成不足として減点対象となります。

 気が付かないうちに自己矛盾を含む論理構成となっている場合も多いため、しっかりと全体像を組み立ててから書き始める必要があります。

事実と異なる記載が散見される場合

 事実については2種類あり、容易に確認することの出来るものと、個人間の問題等により容易に確認することが困難であるものがあります。後者の場合には問題になりませんが、全社の場合は大きな減点となる場合があります。

誤答例
問題【後輩部下の育成に際して従来と同じ指導方法ではパワハラやセクハラと言われるケースが散見されるようになりました。係長として育成指導の方法について考えを述べよ。】
解答【~~~~かつての消防組織においては、育成指導という大義名分の下で、暴力や長時間に及ぶ暴言が繰り返されてきました。消防組織はそれらの経験を経て組織力を強くしてきた経緯がありますが、現在の社会とは馴染まなくなっているのも事実です~~~~~】

 さすがにこれは分かりますかね。確かに、そういった歴史認識の人もいるかもしれませんが、消防組織が社会的に認められている歴史観とは明らかに異なりますね。

 昇任試験を受ける時点で組織の考え方そのものには賛同している前提なので、その点に関して異論があるようでしたら、昇任試験は受けない方がいいと思いますね。

 しっかりと迎合しましょう。

日記になっている

 これも消防の昇任試験論文に非常に多い悪い例です。

 論文試験で記載するのは日記ではありません。多少の実体験を盛り込むことにより、論点のブレを防いだり、論旨をより強調するこは可能ですが、実体験を主軸にして論理展開をしていくと、日記のようになってしまいます。

 ひろゆき風に言うと「それってあなたの感想ですよね?」となってしまうわけです。

 問題にもよりますが、可能な限り一般化して論理を展開する必要があります。

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効果的な記述テクニック

原稿用紙・解答用紙は正しく使う

 原稿用紙には記載上のルールがあります。

 事前にルールを整理しておき、無駄な減点を受けないようにしましょう。

構成は3段落にする

 いわゆる【起承転結】を採用して書き進めると、矛盾が生じやすく減点要素を増やす結果となります。そのため、【転】の部分を省略して、【起承結】として書き進めることをオススメします。

句読点の打ち方に注意する

 句読点の位置についても、減点が多いポイントとなります。

 特に読点については明確なルールが無く、打つ位置に悩む人が多いです。

 論文試験における読点は【出来るだけ少なくする】のがポイントです。確かに読点が多い方が誤読が少なくなりますが、逆に読みにくいという印象を与える可能性もあります。

 読点は、誤読が生じない程度に少なく打つのがポイントとなります。 

誤読例
私は高橋さんと伊藤さんの趣味について話をしました。
私は、高橋さんと伊藤さんの趣味について話をしました。
私は高橋さんと、伊藤さんの趣味について話をしました。

 読点の打つ位置によって意味が変わってしまいますね。

確かに~しかし

 このテンプレートを使うことをオススメします。

使用例
問題【不要不急の救急車利用について考えを述べよ】
解答①【~~~~確かに市街地などでは、近所に頼りに出来る親戚や知人がいない世帯が増加しているため、体調不良等の際に軽い症状であっても不安になり119番通報をしてしまうケースはある。しかし、そういった事案に対応することにより本来119番通報を受けて対応するべき重篤な傷病者への対応が遅れてしまうのは望ましい状況であるとは言えない。~~~~】
解答②【~~~~確かに救急医療の知識のない人にとっては、救急車を呼ぶべきか否かの判断は非常に難しいものであり、軽傷での救急車利用が発生する要因のひとつであると言える。しかし視点を変えれば、症状の緊急度さえ判別を手助けするシステムを導入することができれば、救急車の適正利用に繋がるものと考えられる。~~~~】

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まとめ

 論文試験は作文試験でもなければ、自由作文や論述会ではありません。試験であるため、ルールに則って記載する必要があります。

 積極的に模擬試験や模擬採点を利用して、ルールに則って記載する練習をしましょう。

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