消防団が抱える諸問題
多すぎるくらいありますが、集められるだけ集めてみました。
- 報酬が安すぎる(報酬が目的であれば消防団などやらない)
- 報酬が満額支給されない
- 支給された報酬の一部を会費(団費・懇親会費)と称して徴収される
- 銀行振り込みではなく団長などから直接手渡しで報酬を受け取っているが、金額の根拠がわからない。
- 高齢化が激しく、役に立ちそうにない爺さんが多い
- ボランティアや奉仕の精神で集まった集団なのに、異常なほど上下関係に厳しい
- 本当に消防団が必要だと思って入団したわけではない
- 自治会や商工会の付き合いの中で断れず入団することになったので、辞めた後のことが怖くて辞められない
- 消防団に加入したせいで、自治会の他の仕事も依頼されるようになり負担である
- 拘束時間が長く、休みの日や仕事中に急に呼び出される
- 土日祝日にイベントが多い
- 飲み会が多く、断ることができない
- 家族サービスがほぼできない
- 感謝されることが少ない
- 世間的には消防団が不足していると言われているが、特に不足している実感はない
- 火災現場に行くと本職の消防職員の邪魔をしないように雑用だけをやらされている
- 雑用だけなら消防訓練なんて必要ないのではと思ってしまう
- 権限がほぼなく、主体的な活動はほぼなく、役所や消防署のいいなりでしか動けない
- 新しい人が増えないし、すぐに辞めてしまうため40歳を超えても下っ端
- 在籍だけして訓練などには一切参加しない団員がいる(幽霊団員)
- 装備品が古いか、消防職員のそれの劣化版であり、ダサイ
- くだらない仕事が非常に多く、役所や消防本部からは、格安で使えるお手伝いさん程度に思われている気がする
- 操法大会の練習を何日も何時間もやらされるが、無駄が多く効率のいい訓練とは思えない
大きく分けると問題は3~4つに分類できる
報酬関連問題
少々漠然とした表現になりますが、報酬を目的にして消防団員になろうと考える人がいない程度の報酬額であるということです。
ボランティア精神を前提としているとはいっても、報酬が支払われる以上、金額については重要なことです。
どの程度の金額が適正なのかについては、考え方が様々あるかと思いますが、土日祝日のせっかくの休みの日に、家族との時間を過ごしたり、ゆっくり読書したり休みたい時間を返上して、消防団の訓練に参加するのであれば、土日手当程度の時給では足りない気がします。
個人的には、犠牲にした家族時間や休養時間を金銭的に取り戻すための行動をした場合でも手元のにお金が残るくらいが最低限の報酬額かなと思っています。
人によるとは思いますが、個人的には、月に一回家族4人でディズニーランドやUSJに泊りで遊びに行って贅沢できるくらいの報酬額が最低ラインかなと思います。これで失った家族時間を取り戻すための思い出獲得に必要な金額かなと思います。
活動日が多すぎる問題
週5日以上は雇用されている会社で働いている人が多くなっています。
残りの2日間をどう過ごすかは、人生において非常に重要なテーマです。その大切な2日のうち片方または双方を消防団活動のために使用するのは適正と言えるのでしょうか?
ワークライフバランスという言葉が浸透している現在では、消防団活動が業務的・仕事的になればなるほど負担に感じることも多くなることでしょう。
つまり、報酬の増額やその他の問題と相反する問題となってしまっています。
報酬を上げると仕事感が増していき、義務感が増えて仕事感も増えていく事になります。
権限が低すぎる問題
期限がボランティアであるため、権限が低く設定されているのは仕方がないことです。
法令上では常勤の消防職員と同様の権限も多数付与されているのですが、実際にはそれらの権限を行使する場面は無い上に、社会的な権限・権威などをもっている物として認識されていません。
消防活動上の権限に限らずとも、権限不足によりたくさんの不都合があります。例えば、分団車庫や車両の維持管理改修に関するものです。
あくまでも車両や車庫の所有者は市町村長等であるため、どんなに不便なことがあろうとも、改修することは許されていません。ましてや、少額であっても公費の執行である以上、消防本部や市町村長の承認を得る必要が生じる場合も多く、自治会館の改修や修繕とは比較にならない煩雑さが生じています。
やりがいを感じずらい問題
権限が低いことと密接に関係していますが、使った時間や労力に対して感謝されたりすることが少ないという問題です。
金額が少ないことや、満足感を得られないというのも同じ意味です。
例えば、公園の花壇整備のボランティアや、駅前花壇の整備ボランティアなんかであれば、完成するものがあるため他人に伝えやすく、目に見える成果があるため満足度が得られやすいです。
その他にも福祉施設や少年スポーツのボランティアに行き、施設利用者の笑顔を見ると精神的な満足度を簡単に得ることも出来ます。
消防団は生かさず殺さず
消防団が本当に必要なのであれば、報酬・稼働日(休み)・権限・やりがいなどについて、トータルで考えてもらいたいですね。
消防団が本当に必要であるというのならば、都道府県庁や市町村役場の重要度の低い部署をボランティアに変えるなり、民営化するなりして消防団を正規の公務員にして維持するための施策を考えてもらいたいものです。
推測になりますが、消防団という組織を維持しておけば、消防団員確保や組織維持のために働く国家地方公務員の仕事を確保できるわけですから、生かさず殺さずという具合に考えられているのかも知れませんね。