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千葉市消防士(初級・行政)、受験者は242人から156人へ 倍率11.0倍→5.6倍、採用予定は11人から20人に増えた4年間の内訳

受験者242人から156人へ、倍率は4年で半分に

千葉市が公表した職員採用試験の結果によると、初級消防士(行政)の受験者数は令和4年度の242人から令和7年度は156人へと、4年間で86人(約36%)減少した。競争倍率(受験者数÷最終合格者数)は、令和4年度の11.0倍から令和5年度13.1倍、令和6年度9.9倍と推移し、令和7年度は5.6倍まで下がった。

この数字だけを見ると「受けやすくなった」という印象を受けるが、倍率の低下は受験者の減少だけで説明できるわけではない。本記事では、同じ市の公表資料にある採用予定人員と最終合格者数を並べ、倍率の中身を整理する。

初級消防士(行政)の4年間の推移

千葉市の公表資料から、初級消防士(行政)の数字を年度ごとにまとめると次のとおりである。

| 年度 | 採用予定人員 | 受験者数 | 最終合格者数 | 競争倍率 | |—|—|—|—|—| | 令和4年度 | 11人程度 | 242人 | 22人 | 11.0倍 | | 令和5年度 | 11人程度 | 183人 | 14人 | 13.1倍 | | 令和6年度 | 18人程度 | 198人 | 20人 | 9.9倍 | | 令和7年度 | 20人程度 | 156人 | 28人 | 5.6倍 |

受験者数は令和4年度から令和5年度にかけて約60人減り、令和6年度にいったん持ち直したあと、令和7年度に再び大きく減っている。一方、採用予定人員は令和6年度に11人から18人へ引き上げられ、令和7年度は20人程度とされた。4年間で見ると、受験者数は約36%減、採用予定人員は約1.8倍という、逆方向の動きが重なっている。

「募集枠の拡大」と「受験者の減少」のどちらが効いているか

倍率の変化には、分母(最終合格者数)と分子(受験者数)の両方が関わる。令和4年度から令和7年度にかけて、最終合格者数は22人から28人へ6人増え、受験者数は86人減った。

試みに、受験者数を採用予定人員で割った数値を出してみると(本記事筆者の算出)、令和4年度は22.0、令和5年度は16.6、令和6年度は11.0、令和7年度は7.8となる。公表されている競争倍率よりも変化幅が大きく、採用予定人員の増加が、実質的な競争の緩和に強く影響している可能性がうかがえる。

また、最終合格者数は採用予定人員を上回る年が多い。令和7年度は採用予定20人程度に対して28人が合格している。辞退者を見込んだ合格者数の設定とみられるが、公表資料にその理由の記載はなく、あくまで推測にとどまる。いずれにせよ、受験者にとっては「採用予定人員」と「合格者数」の両方を見て倍率を捉える必要がある。

なお、令和6年度に受験者数が増えた点については、公表資料に背景の説明はない。採用予定人員が増えた年に受験者が増えたことから、募集拡大の情報が受験を後押しした可能性は考えられるが、断定はできない。

救急救命士区分は人数が少なく、倍率が大きく振れる

同じ「初級消防士」でも、消防士(救急救命士)の区分は様子が異なる。

| 年度 | 採用予定人員 | 受験者数 | 最終合格者数 | 競争倍率 | |—|—|—|—|—| | 令和4年度 | 4人程度 | 25人 | 11人 | 2.3倍 | | 令和5年度 | 4人程度 | 41人 | 5人 | 8.2倍 | | 令和6年度 | 4人程度 | 24人 | 7人 | 3.4倍 | | 令和7年度 | 4人程度 | 32人 | 4人 | 8.0倍 |

採用予定人員は4年間4人程度で変わらないが、最終合格者数は11人→5人→7人→4人と年度ごとにばらつきが大きく、倍率も2.3倍から8.2倍の間で上下している。母数が小さい区分では、合格者数が数人違うだけで倍率が大きく変わるため、単年の倍率だけで難易度を判断するのは難しい。

初級消防士の小計でみると、受験者数は267人→224人→222人→188人、倍率は8.1倍→11.8倍→8.2倍→5.9倍となっている。令和7年度の小計の合格者数は32人で、令和4年度の33人とほぼ同水準である。つまり、合格者数がほぼ変わらないなかで受験者数が約30%減ったことが、小計の倍率低下に直接つながっている。

試験日程と、数字を見るときの注意点

令和7年度の初級消防士は、第一次試験(筆記)が9月28日、体力検査が10月8日・9日、第一次試験の合格発表が10月17日、論文試験(行政のみ)が10月25日、面接試験が11月4日・5日に実施され、最終合格は11月27日に発表された。令和5年度は第一次試験が9月24日、最終合格の発表が11月28日で、例年おおむね同じ時期に行われているとみられる。

数字を読む際には、次の点に注意したい。

受験を考える人にとっての意味

倍率が5.6倍になったことは、過去4年間のなかでは最も低い水準である。ただし、これは採用予定人員が増えたことと受験者数が減ったことが重なった結果であり、試験が「易しくなった」ことを意味するわけではない。筆記・体力・論文・面接と複数の関門があるため、受験者数が減っても、各段階で求められる水準が下がると考えるのは適切ではないだろう。

一方で、採用予定人員が20人程度に引き上げられた状況が今後も続くのか、それとも元の水準に戻るのかによって、倍率は再び変わりうる。受験を検討する場合は、年度ごとに公表される募集案内の採用予定人員と、前年度の最終合格者数の両方を確認しておくことが、現実的な見通しを立てる助けになると考えられる。

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